第133話 いろいろお買い物

「いい買い物が出来て良かったね。」

「うん。店主さんのアドバイス助かった。」

「いろんな種類あって迷っちゃったね。」

「どれも可愛い。使うのが楽しみ。」


文房具屋さんでたくさんお買い物したリンです。店主さんがお手紙に返信用の手紙セットを入れて送ったらどう?とアドバイスをくれてたので、いろんな種類の買っちゃった。


もしかしたらお手紙セットなんてもってないかもしれないし、文房具屋さんに行くこともないって言ってたもんね。


ペンは持ってる人に借りたりできるからいいとして、文字が書けるかどうかは分からないから私も絵を描いたり元気だよー!くらいのメッセージにする予定。


あとはいつものメモ用紙と持ち運び用のペン。おまけにノートを1冊プレゼントしてくれました。


「昼飯なにがいい?」

「アーベントにはないものか、珍しいもの食べたい。ある?」

「店入って食うのでいいか?」

「うん、ディアが入れる所だといいな。」

「あるから大丈夫。行くぞ」


ガイトさんが連れて行ってくれたのは雰囲気のいい肉バル。お昼はランチできるし、夜はお酒を飲みながらお肉をつまめるようなおしゃれな所。


「おじさん久しぶり。奥入っていい?」

「おう、空いてるからいいぞ。…ん?ようこそ肉の楽園へ、お嬢さん。俺はジェレミー、よろしくな」

「リンです。冒険者で紅嵐の盾のみなさんと暮らしてます。よろしくお願いします。こっちはディアです。」


「また珍しいお客様だ。いっぱい食ってけな。」

「ありがとうございます!」


ジェレミーおじさんはフランクさんと似てて、細マッチョ風の初老紳士。言葉はがさつに聞こえるけど柔らかい雰囲気のおじさまでした。好きです。


「ここはハムとソーセージ・ベーコンの専門店なんだ。色んな味を楽しむのもよし、料理として楽しむのもよし。メニューいっぱいあるから好きなの選べ」

「悩むやつ」


「食いきれなければディアも俺たちも食えるから気にするな。気になるのバンバン頼んじゃえ」


〈ディアはいいの?〉

〈もちろん。〉

〈ありがとう!〉


ソーセージの盛り合わせとか、ベーコンとハムの食べ比べセット、ポテ炒めとパンを選んだ。ポテ炒めはたぶんジャーマンポテトのことだと思う。


あとはみんな好きなメニューを頼んで来るのを待つ。ソーセージとかベーコンってそのままで美味しいよね。大発明品だと思う。


「メニューとか本に絵って描かないの?」

「え?」

「絵。」

「ごめん、説明してほしいかも。どういうこと?」


ってことでみんなぽか~んってなってたので説明。


魔物の本には魔物の姿を絵に描いてあると分かりやすいし、メニューにはソーセージの絵とか何本セットで盛られてるとかを絵にしたら分かりやすいと思うんだけどなーと。


「なるほどなー。特徴が実際に見て分かるなら便利だな。ディアの説明で『白に黒の模様』とか書かれてても人それぞれ想像する姿は違うだろうし。」


ディアはユキヒョウっぽい斑点模様だけど、しましま模様を想像してたらそれはホワイトタイガー。全く別の生き物になっちゃうもんね。斑点の大きさも説明しにくいし。


「その発想はなかったな。というかすまん、聞いてしまった。忘れたほうが良ければ忘れる。」

「おいしそう!ありがとうございます」

「こっちが人間、こっちは魔獣用だ。足りなければ出すから言ってくれ」


ひょこっと扉からジェレミーおじさん登場。プレートにおしゃれに盛られてるお肉たち。ハムとベーコンは小さく切られてて食べやすそうです。


「おじさんならメニューに絵を載せたいと思う?」

「思うな、文字より分かりやすい。人数によって量を変えてる料理は難しいかもしれんが。」


「それなら1人分の量をのせて、人数によりこのくらい増えますって説明書いたら分かりやすいかもです。」

「なるほどな。で、どうしたらいい?」


「リン、欲しいものあるか?あるならこのおじさんに頼めばなんでも買ってくれるぞ」

「なんで???」


ガイトさんとおじさんは真剣な顔してるけど、早く食べたい。


「情報量ですよ。有益な情報を無償で受け取る人はいませんし、リンさんはお金を欲しいとは言わないでしょうし。」

「んー。ならこのお皿を売ってるお店を教えてもらうことはできますか?お皿を買おうと思ってたので。」


「そんなことでいいのか?」

「はい、もちろん。食べていいですか?」

「すまん、腹減ってるよな。話はまた後で。」

「それじゃあ食べよっか!」


フランクさんの合図でいただきます。お肉と一緒にクラッカーもある。小さく切られたトマにチーズもあってカナッペ作り放題。


「とっても美味しい!」

「美味しいよね、これもおすすめ。いろんな風味があってクセ強いかもしれないけどリンちゃんは好きそう。」


アルダさんが切ってくれたソーセージはハーブがいっぱい練り込まれたやつ。日本にもあるけど本場の味って感じでとっても美味しい。


ソーセージは腸詰めしたらそのまま保存してる生ソーセージ状態のと、乾燥させてから焼いてる一般的なやつがある。生ソーセージの方は肉汁たっぷりでお肉の味がちゃんと分かって美味しい。


ハムとベーコンは部位ごとに味が違って、ハーブで漬け込んだやつとかシンプルに塩だけとか焼いたやつとかいろいろ。燻製って方法はないっぽい。


〈美味しいね〉

〈あぁ。白いのがうまいな、肉肉しい〉

〈お肉の味がちゃんとしてて美味しいよね!売ってたら買いたいなぁ〉

〈頼んでみたらいいさ〉

〈お店のでも売ってくれるかな〉


ディアも気に入ったみたい。売ってたらいいな。


美味しく食べ終えたら食後にグレープジュースを出してくれた。濃い味のご飯食べた後にさっぱり甘いジュースが美味しかったです。


ジェレミーさんとガイトさんたちで色々とお話中。私はディアのお腹で今日食べたソーセージの盛り合わせの絵を描いた。上手じゃないけど美味しかった感謝を込めて。


「食器の店の場所はこいつらも知ってるだろうから俺からの紹介状な。買うときに見せれば割引してもらえると思う。あとは自慢のソーセージとハムとベーコンの詰め合わせ、これ奥さんの手作りだからいっぱい食べてやってくれ」

「ありがとうございます!ソーセージ美味しかったから買えたらいいなって思ってたんです。」


「ありがとうな、欲しい時は手紙くれたら送るからな。」

「なくなったらお手紙等書きますね。お礼にもならないと思いますが、今日頼んだソーセージの絵を描きました。どうぞです」


「すげえ、上手いな。助かるよ、ありがとう」

「こちらこそ。美味しかったです、ありがとうございました。」


ニコニコほくほくでばいばいしてお店を出たら、紹介してもらった食器屋さんへGO。


まだまだ調味料とか髪の毛のケア用品とか、魔道具店とか行きたいところはいっぱい。午後もお買い物楽しみます!





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