第124話 動きましょう
おはようございます、起きたらメイドさんと目が合って驚いたリンです。
「おはようございます、お嬢様。」
「おはようございます。」
お嬢様と呼ばれるのはちょっと違和感がある。普通に名前で呼んでもらいたいけど、メイドさんのお仕事ってどこまで自由にいけるのか分かんないし、わがまま言っちゃダメだよね。
「まだ朝早い時間で、皆様は鍛錬をしていらっしゃいます。もう少しお休みになりますか?」
「あ、いえ、このまま起きます。」
「ではお着替えの準備をいたします。お風呂のご用意をいたしますか?」
「えっいいんですか?」
「もちろんでございます。準備してまいりますので、お水を飲んでお待ち下さい。」
「ありがとうございます…」
「はい。それでは一度失礼いたします。」
キレイな所作で出ていくメイドさん。ドアの隙間からもう1人立ってるのが見えた。何かあると来てくれるのはあの2人のメイドさんたちだから、ここが持ち場なのかな。
〈ディアー〉
〈おはよう。〉
〈おはよ。メイドさんがいる。なんか違和感あって落ち着かない。ディアもお風呂入ろうね〉
〈その流れで言うな。まあいい、久しぶりに入る〉
近くにあるお水を飲んで、ディアにも妖精さんにもお水を出す。そのままディアとラグに座ってのんびりグダグダ。ベッドのふかふかもいいけどディアのもちもちふわふわのお腹は最高。
「失礼いたします。お風呂の用意ができましたのでご案内いたします。歩けますでしょうか?」
「歩けます。大丈夫です。」
「それでは、こちらへどうぞ」
ノックに返事をしたらメインさんが入ってきたので、ディアと一緒に部屋を出る。めちゃくちゃに遅いはずなんだけどメイドさんがゆっくり歩いてくれるから追いつける。ありがとうございます。
「こちらになります。私共の手は必要でしょうか?」
「えっと、ディアもいるし1人で入ります。ありがとうございます。」
「かしこまりました。なにかございましたらお声がけ下さい、外で待機しております。」
「わかりました。」
そういうとタオルと着替えを置いて外に出るメイドさん。ずっと待っててもらうのも申し訳ないし早めに上がろう。
〈ディア、入ろう〉
〈小さくてもいいか?〉
〈うん、さすがに大きいと洗えない。〉
ってことでお風呂。シャワーを浴びてシャンプーをする。久しぶりに頭を洗うから気持ちいい。クリーンで汚れが落ちてるとはいえ、やっぱり洗うとスッキリする。
〈ディアも洗うから来て〉
〈あぁ〉
水に濡れてちょっとちっちゃくなったディアは可愛い。捨てられた犬感が出る。言えないけど。石鹸で洗うともっこもこの泡の塊になった。しっかり水で流せばゴワゴワが無くなってキレイな白が現れる。
〈うん、満足〉
〈風呂に入れ、風邪をひく〉
〈はーい〉
ディアは湯船に浸からず水気を飛ばしてから近くに来た。気持ちいいー。けど、体力が落ちてるからお風呂に入るだけで疲れちゃう。数分で上がりました。
着替えてディアを乾かすと、外に出る。メイドさんが待っててくれたので、一緒にお部屋に戻るとドレッサーの椅子に座らせられて、ドライヤーで髪を乾かしながらクシでとかしてもらった。そういえばクシ持ってなかったなーと思いながら。
お花の香りのオイルを髪につけてもらって、ツルサラヘアーの完成。ありがとうございます。お洋服もフリフリしすぎないけど柔らかいふんわりワンピース。着心地いいです。ありがとうございます。
そういえばこの世界にもドライヤーってあったんだなぁと思いながら水分補給をしてると、鍛錬をしてたみんなか戻ってきた。
「おはよう、あれ?リンちゃんの髪そんなに白かったっけ?」
「白い?」
アルダさんに言われて鏡を見たけど、違いはあんまり分からない。
「恐らくですが、オイルでのケアで傷んでいた部分が整い本来の髪色が見えているのかと。」
「そっか、髪の毛のことなんて考えてなかったんだごめんねリンちゃん。色々と揃えようね。お店いっぱいあるから」
「クシとオイルが欲しいなって思ったの。お店教えてもらうことってできますか?」
「後ほど紙に書いてお持ちしますね。ドライヤーはありますか?」
「ないです。」
「そちらのお店も合わせて聞いてまいります。」
「ありがとうございます。」
「いいえ。ご挨拶が遅くなりましたが、私はお嬢様専属メイドのメルと申します。あっちにいるのが同じく専属のノーラです。御用の際はお声がけ下さい。」
「リンです。よろしくお願いします。」
「よろしくお願いいたします。皆様のお食事のご用意をいたしますか?」
「お願いします」
「かしこまりました。それでは失礼いたします」
ナリアルさんが食事の用意を頼んで、その流れで私を抱き上げソファに移動する。髪を触られ頭を撫でられほっぺを突かれ…気付いたらナリアルさんのお膝の上でした。なぜだ。
「シャワー浴びたんですね。いい香りがします」
「うん、さっぱりしたよ。ディアも一緒に洗ったからふわふわ」
「それにしても髪の毛さらさらだね。」
「オイルもだけどクシでとかしながら乾かしたのも良かったんだと思う。」
「その辺は頭になかったなぁ。こっちで買って帰ろうね。」
アルダさんがなでりなでり、カルダさんが髪を触っておーと驚き、レイさんも頭をポンポン。ガイトさんにはほっぺをつぶされてタコにされました。
そんなこんなで運ばれてきた料理を食べたら、眠くなってしまった。すぐにでもおじいちゃん先生のところに行ってポーション作るの見たかったんだけど、病み上がりだから大人しく寝ることになった。
心配性の保護者たちは動いて食べて寝るリンを見て安心したらしく、外で剣を振ったり依頼を見にギルドに行ったりお出かけしたり、自由に動くようになりました。
妖精さんも安心したらしく、畑や元いた場所に戻っていった。気まぐれで2〜3人いるけど。
起きたら先生とお話しようと心に決めて、眠るにつくリンちゃんなのでした。
ご挨拶してない方がいらっしゃいますが…
それはまたあとで。
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