第123話 リハビリだいじ

おはようございます。起きたらディアと妖精さんたちに囲まれてたリンです。もぞもぞしてたらナリアルさんと目があった。


「おはようございます、体調はいかがですか?」

「おはようございます。体が動かしにくいくらいで痛みもなにもないよ。だるくもないし不思議な感じ。」


「それはよかったです。お腹空いてますか?もうすぐお昼の時間なのですが、食べられそうですか?」

「お腹ぺこぺこ」


「準備してもらいますね。」


ナリアルさんがお部屋を出ていくのを見送りつつ、ソファに座るみんなに挨拶をした。いつもここでご飯を食べてるらしく、当たり前のように運び込まれてくる。


ディアをもふもふしてたら腕も動くようになってきたし、自分で食べます。ソファまで抱っこしてもらって、座って食べる。メニューは皆と違ってお腹に優しいスープとミルクパン粥?みたいなやつ。温かい食事が体に染み渡る。


「しみる〜おいしい〜」

「おっさんかよ。」


カルダさんにツッコまれて笑われた。食べ終わるとおトイレに行きたくなる。どうしようかと考えてたら、メイドさんが運んでくれた。歩くのはまだ不安だったから助かりました。


せっかく洗面所にいるんだもん、キレイにしようってことで顔を洗って口をゆすいでクリーンをかけてスッキリ。


またメイドさんに運んでもらって、今はディアと一緒にラグの上でまったり。


「リン、これまでの事と今後の予定を説明したいんだが大丈夫そうか?体力落ちてるだろ」

「平気だよ、眠くもないし。」


ってことで抱き上げられ、ソファに運ばれる。ディアは小さくなって無理やり隣に座ってきた。可愛い生き物です。


「倒れた時のこと、覚えてるか?」

「捕まった貴族が叫んでるが聞こえて、嫌だなーって思ったら眠くなっちゃって、起きたらここだった。」


「そこまで覚えてるのか。じゃあその後リンがどうなったか説明するな。」


説明を要約すると、魔力で体を包んで外からの干渉を受け付けない状態で外からの魔力供給もできず、鑑定も効かないから診察が困難、魔力が残り数パーセントで、私がポーションを作ってなければ危険な状況だったらしい。


MPポーションはある程度作った人の魔力が残るから、先生が作ったポーションだと効果がない可能性があったんだって。ご心配をおかけしました。


で、その流れでポーションの扱いについて両親と先生と話し合って、アーベンティス家の事業としてポーション専門店を作ることになったらしい。とりあえず王都に2店とアーベントに1店、その後は店舗を増やすか他のお店に売るか考えるけど、今はその3店舗だけで売るらしい。


私のポーションはアーベントで売っていいって。かわりに薬草の取引をお願いされたので、喜んでおっけーする。だって1人じゃ使い切れないんだもん。


「あ、畑ってどうなってる?手入れしてないから枯れちゃったかな?妖精さんたち怒ってない?」

「それは問題ないらしいよ」


『ちゃんとやってるよー』

『採ったのもあるよー』

『帰ったらリンがやってね』

『リンの魔力がいちばんいいの』

『それまでは僕たちがやるよー』


「そっか、みんなありがとう。」

「この妖精の半分は畑にいたので、半分はこの辺にいたのらしい。リンの魔力が追えなくてカルダを追ってここまで来たんだと」


「そうだったの?ごめんね、心配かけちゃって。んー、君たちがこっちの子だよね?」

『そうだよー』


ちょっと服が違う子がいるから見分けはつく。ピュンピュン飛び回って飽きたのか、窓から出ていく子もいる。ここにいる人以外には見えないんだよね?


「もう少し話あるが、聞けそうか?」

「うん、お願いします。」


「犯人は捕まえた。貴族が3人と、その他にも手伝ってた奴らまとめて監獄にいる。だいたいの処分は決まったが、聞くか?」

「聞く。」


貴族の処刑とその家族の処分、手伝ってた冒険者とか商人についても教えてもらった。かなり厳しく罰せられるんだろうと思ってたけど想像以上だった。リューリーさんは一応人質がいたから少しだけ免除されるらしい。


自分の存在がどの程度なのか分からないけど、それだけの影響があるだと思うとちょっと怖くなる。ディアをもふもふして、心を落ち着かせる。


自ら関わったんだから知る必要があると思った。子供だからって何も知らずに守られてても文句は言われないと思う。でも私は自分の存在に責任を持たないといけないとも思うんだ。たぶんチート持ってるし、外の世界の知識もあるから。必要なところで必要な力を使わないといけないと思う。


「疲れたので休憩にしましょう。飲み物と軽く食べれるものを持ってきてもらいますね」


ナリアルさんがメイドさんに頼んでる間に、カバンたちが置いてある場所を教えてもらった。クローゼット?の中にあったらしい。


そして今着てるパジャマは双子が買ってきてくれたやつなんだって。寝てるからせっかくだし、いつもと違う可愛いのを着せたかったらしい。ふんわりしてるけど柔らかい素材で気持ちいいよ。ありがとうございます。


メイドさんがホットミルクを持ってきてくれた。紅茶のカフェインを気にしてくれたのかと思ったけど、病み上がりの子どもにはホットミルクって事らしい。ほんのり甘くておいしい。


フランクさんが作ったしっとりクッキーを少しだけもらった。ホットミルクとクッキーなんて最高です。


「今後の予定だが、3〜4日様子を見て、先生の許可が出れば外に出ても良い。それまでしばらくは家の中で大人しくしとけ。」

「はーい。お庭はいいですか?」


「歩けるようになればな」

「よし。明日からがんばろう、ディア。」

〈あまり無理するなよ〉

〈ありがとう。はやく王都のお店行きたいんだ〉


ってことで先生に診てもらいました。このお屋敷にもポーション作る設備があるらしく、ずっとそこにいるんだって。お屋敷の中ならポーション作っても怒られないかな?


「体調はよさそうだね。貧血もそこまでひどくないし、体の動きが戻ればお外に出ていいからね。」

「ポーション作るところ見に行ってもいいですか?」


「おいこらリン、あんま動くなって」

「座っててもだめ?」


「うー…」

「リーダーが可愛いリンさんのおねだりに負けましたね。ちゃんと座って見るんですよ?それと、明日からです。先生はそれで問題ありませんか?」


「僕は全く問題ないよ。せっかくなら話してみたいと思ってたからね。それじゃあ明日も元気そうなら迎えにくるからね。」

「はいっ!」


他の人がやってるの見るのは初めてだ。楽しみたのしみ。


ルンルンしてたけど体力の限界だったのか、ホットミルクが効いたのか、そのまま寝ちゃうリンちゃんでした。


はやく元気になれーー。






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