第103話 食材ゲット…?
血抜きを待ちつつお昼ご飯を食べて休憩したら、またホーンラビとベアラット探し。魔法の練習もしたいので10匹くらいはいてほしい。
ディアにお願いして探してもらいつつ、食べられる草や山菜があれば採取する。魔除け草って探そうと思えばあるものなんだよね、いっぱいニンニクゲットした。
無事にホーンラビ6匹とベアラット4匹を倒して、現在2度目の血抜き作業中。ウォーターボールやウィンドボール、ウィンドカッターで倒したけど最後2匹以外は狙いからズレたところに当たったので血みどろ。容赦なく水をかけます。
吊り下げてのんびり草紐を編んでたら急にディアが耳を動かし、匂いを確かめるような動きをし始めた。
〈リン、それらをしまえ〉
〈まだ血が抜けきれてないよ?〉
〈オークがいる。しまって血の匂いを消せ〉
〈オーク?こんなところに?〉
急いで袋に入れてカバンに放り込み、地面に染み込んだ血に水とクリーンをかける。
〈血の匂いで来ちゃったのかな?〉
〈いや、こちらには気づいていない。3体いるがどうする?殺るか?〉
〈この辺にいる魔物じゃないよね、倒してギルドに報告しようか。1体だけやってみてもいい?〉
〈あぁ。棒を振り回すから近づくなよ、遠くから当てろ。〉
〈分かった〉
姿勢を低くしてディアについていくと、木の間に3体のオークが見えた。何かを探しているのかキョロキョロしつつ歩いてる。もう少し森の奥にいるはずなんだけど、なんでここにいるんだろう。
〈なるべく首を狙え、暴れそうなら水で顔を包んで溺れさせろ〉
〈2回やっても無理なら水にする。〉
小型の魔物しか倒したことがない。大きいしかも人形は初めてなので経験させてほしい。
〈いくぞ〉
スッとディアが草むらから駆け出し、奥の2匹めがけて飛んでいった。私は手前の1体の足を土魔法で固めたんだけど、持ってるこん棒でガンガン殴ってるからすぐに外されそう。
腕を振り上げるタイミングに合わせてウィンドカッターを発動し、首を狙う。少しズレて肩に当たり、こん棒を持ってた腕が落ちた。痛みで動揺してる間にもう1回ウィンドカッターを発動して、保険としてウォーターボールを出しておく。
首を落としきることが出来なかったので、出しておいた水を顔にぶつけて溺れさせる。苦しめてごめんね、許してね。
〈無事か?〉
〈うん、私はなんともないよ。ディアは…強いね〉
ディアの後ろには首をスッパリ落とされたオークが2体。爪を使ったのか魔法を使ったのか、戦い方ちゃんと見たかった。
〈この辺に味方以外の気配はない。今日は見張られてないみたいだな。〉
〈あ、狙われてるの忘れてた。ナリアルさんは近くにいる?〉
〈いや、少し距離がある。街の方に戻るみたいだ、片付けて帰るぞ〉
〈はーい〉
神様カバンの方にオークを入れて、ディアにクリーンをかけてから街に戻る。ナリアルさんはオークに気づかなかったのか、それとも気付いたけどディアがいるし大丈夫だと思ったのか、どっちだろう。
門番さんに挨拶してギルドに戻ると、サリアさんによって借りてる部屋に連行された。
「お疲れ様です、素材はお預かりしますのでこちらに入れ替えをお願いします。」
部屋にはメンバー全員とユシリスさんがいた。渡された袋にホーンラビとベアラットを入れて、それとは別に薬草を渡す。
「あの、オーク3体もお願いできますか?2体分のお肉は引き取りたいです。」
「大丈夫ですが、オークですか?」
「オークだったんですか?ゴブリンではなく?怪我はありませんでしたか?」
難しい顔になったユシリスさん。焦ったナリアルさんが駆け寄ってきてものすごく心配された。場所的にゴブリンだと思ってたのか。サリアさんに渡して後処理をしてもらう。クッキーをもらったとお礼を言われた、喜んでもらえてよかったです。
「ディアが2体、私が1体倒したの。怪我もないよ、いい練習になった。」
「よかったです、どの辺だったか分かりますか?」
ディアについて行っただけだから自信ないんだよね。
〈地図みてどこだったか分かる?〉
〈恐らく。〉
「ディアが分かるみたいです。」
「ありがとうございます、この地図でお願いします」
机の上に広げられた地図に大人全員ともふもふ1匹が集まって話し合い開始。その間に鑑定のお仕事しちゃおう。途中でサリアさんが来て今日の依頼完了分のお金と解体してもらったお肉をもらった。これで数日分のディアのご飯代は浮いたね。
「・・・では、依頼を出しますので詳細が分かりましたらお知らせします」
「よろしく。リン、帰るぞ」
「ん? はーい」
集中してたら話し合いが終わってたし、後ろにはくつろいでるディアがいた。いつのまに。
箱を片付けてメンバー全員と部屋を出ようとしたタイミングでナリアルさんに抱き上げられる。心配しているだけだ、とレイさんに言われたので大人しくしてます。
お家に着いたら速攻フランクさんにお肉の納品。私も倒したと話したらびっくりしつつも喜んでもらえた。お弁当のお礼をして一緒に夜ご飯の準備をしようと思ったんだけど、先にお風呂に入るようにすすめられたのでお言葉に甘える。
お風呂から上がったらすぐにご飯をいただきます。
「どのオークも切り口が綺麗だったそうだが、どうやって倒したんだ?」
「わたしはウィンドカッターで切ったんだけど、倒しきれなくて結局水で溺れさせたの。命中率がかなり落ちてた。ディアは?」
〈爪でサクッと。〉
サクッと・・・。後でどんな爪してるか見せてもらおう。
「森に異変が起こった可能性があるから、情報が集まるまでは森の入り口付近で行動してくれ。」
「わかった。明日は午前中だけ森に出て午後はお買い物しようと思ってるの。」
「了解。明日はカルダが付く。」
ひらひらと手を振るチャラいお兄さん。頼りにしてます。
おとり捜査だーって思ってたけど森が楽しすぎて全く頭になかった。程よい疲労感と達成感、久しぶりに減った魔力の感覚に眠気がおそってくる。
楽しい日が続くといいな。
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