第102話 森林浴と運動

おはようございます、今日からおとり捜査が始まるリンです。動ける、嬉しい、待ってた森!


わくわくで早くに起きちゃったから着替えて身支度を整えて、ディアと畑にいく。フランクさんから借りてきたお皿にクッキーを置いたら別のお皿にお水を出す。畑にお水をあげて薬草とハーブを採取。ギルドに納品したいので10枚ずつに縛ります。


〈楽しみだね〉

〈ああ。はしゃぎすぎるなよ〉

〈んんんー、自信ないかも!〉


えへへと笑うと呆れられたけど、魔力操作が雑になってる気がするからちょっと不安なのです。思いっきりぶっ放しちゃったらごめんね。


お家に戻って採ってきたハーブをまるっとフランクさんに渡して、朝食のサラダを盛り付ける。みんなそろったらいただきます。


「リン、調子はどうだ?」

「元気いっぱい。魔法の操作が下手になってそうで不安だけど。」


「ポーション作ってたんだし、大丈夫じゃない?なんかあったらディアのせいにしちゃえばいいさ」

〈小僧食べられたいか?〉

「うへーこっわ。」


カルダさんがディアに思いっきり良い笑顔を向けたら、ディアも負けない迫力でにっこり?して脅した。楽しそうでなによりです。でも口から血を垂らして笑わないでください。ホラーだよ。


「ギルドまでは全員で行きますので、レイに抱っこされてくださいね。」

「よろしくお願いします?」


レイさんに言うと頷かれた。決まってたことなのかな?お買い物に行くフランクさんも一緒に出ると言うので、本当に全員で出発するみたいです。


準備が整ったら、お弁当をもらってお家をでる。出た瞬間レイさんに抱えられたので大人しく高い視線を楽しみます。ディアは小さくなって前を歩くガイトさんの隣にいる。


ギルドの前でフランクさんと別れて中に入ると、そのまま2階に上がってギルマスさんのお部屋に直行。ノックの直後にドアを開けるガイトさん。ノックの意味が無いですよ。


「久しぶりだな。元気にしてたか?」

「お久しぶりです。元気ですけど運動不足です。」


「お元気そうでよかったです。今日から活動開始と伺いましたが、ギルドの仕分け仕事もお願いしてよろしいですか?」

「はい、大丈夫です。今日帰ってきたら少しだけやります。それとご心配をおかけしたのでクッキーを焼いてきました。休憩の時にでも食べてください。」


ギルマスさんとユシリスサブマスさんにそれぞれ渡して、サリアさんたちの分も預ける。受付の人はプレゼントをもらっちゃいけないらしいので、内緒で渡してもらうことになった。


「ありがとうございます。そろそろ人も減ってきますので、受付にいきますか?」

「はい、行きたいです」


「私も一緒に行きましょう。」

「ありがとうございます。いってきます!」


みんなに手を振って部屋を出ると、ユシリスさんに抱き上げられる。今日は抱っこ多めの日らしい。


1階に降りると受付にロレンさんが座ってるのが見えた。カウンターを通り越して掲示板に行くと、ホーンラビとゴブリン、ベアラットの常設依頼があったのでホーンラビとベアラットの討伐を受けます。


「ロレンさん、おはようございます。」

「わっリンちゃんにサブマスおはようございます、リンちゃんはお久しぶりだね。体調はもう良くなった?」


「お久しぶりです、元気いっぱいです!今日は薬草とこれを受けようと思います。」

「ありがとう、処理しちゃうね。」


ちょいちょいとしてロレンさんに近づいてもらって、クッキーをギルマスさんに預けたことを伝える。とっても喜んでもらえました。


受付が完了したら行ってきますと手を振って、入り口まで運んでもらう。抱っこは継続中です。


「お気をつけて。暗くなる前に帰ってきてくださいね、無理は禁物ですよ」

「ありがとうございます、いってきます!」


ユシリスさんに降ろされてお別れして森に向かう。久しぶりの門番さんに心配されたので、準備してあったクッキーの包みを2つ渡して元気だと主張。心配性な保護者が・・・と困った顔をしたら納得してもらえたので一安心。


外に出て森に入る前に元の大きさに戻るディア。思いっきりのびーっとしてるのを見ると猫だよねって思う。


〈その辺にホーンラビが3匹ともう少し奥にネズミが2匹いる。〉

〈ありがとう。勝手に飛びかかってくるホーンラビの方を先にする〉


魔物はディアが見つけて連れて行ってくれるので、ついて行くだけ。お散歩感覚でルンルン歩くと、うさぎさん3匹を発見。遠くから狙ってみます。


1匹はお水で包んで静かにやって、もう1匹は小石を弾丸のように飛ばして頭を打ち抜こうと…したんだけと失敗して胴体に当たった。倒れたからいいけど確実に命中率が落ちてる。


残りの1匹はウィンドカッターで首を狙ったんだけど、こっちは胴体をスパッと半分にした。血みどろ事件現場が完成です。悔しいしちょっと怖い。


〈綺麗な切り口だ。威力は問題ないだろう〉

〈素材としてはだめかも。ぬぅー悔しい〉


とりあえず血抜きをするために木の棒に吊り下げる。このまま袋に入れるのはちょっといやなので。


血抜きの間にベアラットを狩りに行きます。いろんなやり方があるけど、私は巣穴の入り口から水を流し込んで、出てきたところを捕まえる方法。土魔法で地面ひっくり返す方法もあるんだけど、1回やった時は草も全部抜けて更地さらちになってしまったのでもうやらない。


〈さっき見つけたのと他にデカいのが1匹いる、気をつけろ〉

〈分かった、ありがとう〉


水をダバーっと入れてから離れてしばし待つ。数分すると別の入口から3匹同時に飛び出てきたので、土壁を出して退路をふさぐ。


ネズミ型の魔物なんだけど普通にデカい。ホーンラビの1.5倍くらいで動きも早いんだけど、弱いから何かしら当てられれば倒せる。大きい契約魔物とか魔獣とかのエサになるので常に討伐対象。ねずみ算式に増えるしね。


耐性があるとは言え血まみれは避けたいので、軽くウォーターボールを当ててそのまま水で包んで溺れさせる。


〈他にいる?〉

〈この辺にはいない。〉

〈ありがとう〉


ちゃんと息絶えたのを確認したらホーンラビのところに戻って、ベアラットも一緒に血抜きする。


その間に食べられる物を探す。鑑定さんで見つけた万能ねぎのラオとコゴミ、魔除け草とその下のニンニクを抜き取って草と可食部に分けたらカバンに突っ込む。


あとはその辺に生えてる強そうな草を使って紐を作る。ポーション瓶にタグを着けたり薬草をまとめたりよく使うから時間がある時はよくやる作業。


ディアとのんびり森でくつろぐのは久しぶり。

幸せだね。






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