第70話 初仕事、達成。
午後は別の魔法とナイフで倒すことになった。今日中にある程度戦う基礎を身につける豪華メンバーによるハード特訓メニューです。
「まずナイフでの戦い方なんだが、小さい魔物ほど知能がなく誰にでも襲いかかる。気配消さずに近づけば勝手に突っ込んで来るから切るだけだ。」
「突っ込んできた瞬間に魔法で足止めするのはありですか?」
「今後はなんでもありだが、今日はナイフの練習だからなるべく魔法は使わない方法で。んでもってナルの方が得意だからここから交代なー。」
ナイフの使い方はナリアルさんが上手らしい。基本の握り方と動かし方を軽く教えてもらって数回素振り。利き手が同じだし、動かし方が分かりやすい。
ホーンラビに近づくと一瞬こっちに向いたと思ったらスルーされた。襲って来ないと切れないんだけど?弱すぎて敵だとも思われてないのかな?悲しすぎるんですけど。
「リン、気配消すな。」
「消してないです!」
「思いっきり消しちゃってますね。」
「えぇ…。」
問題発生。無意識に気配を消しちゃってることが発覚したので対処法を学びます。普通は逆なんたけどねって笑われたけど、私には何がなんだか分かりません。
魔力を操作して威圧する方法があって、それの弱いバージョンを急遽教えてもらうことになった。担当はレイさんです。
「魔法を使う時は手や道具に魔力を集めるだろ?その要領で全身包むんだ。」
「全身包む…」
目を閉じて集中し、魔力で丸く自分を包むイメージをする。温かい空気に包まれる感じ。
「リンっ!リン!ストップ!」
ガイトさんに叫ばれて目を開けて魔力を散らすと、カルダさんが結界を張ってディアは座ってるけど毛が逆立ってた。なんだ?
〈一瞬だが大量な魔力を放出してた。〉
「カル結界解いていいよ。お前魔力残ってるか?大丈夫か?」
ガイトさんに言われて確認すると200くらい減ってた。残り600くらいあるから余裕はあるけど、ここまで使った感覚がなかった。危ないかも。
「それ数回やったら倒れるから今は禁止な。他の方法探そう。」
下手すぎたかな。うまく包めたと思ったんだけど。魔力操作もっと上手にならないとな。
〈おい、説明しないと理解できてないぞ。〉
「あ、すまんすまん。魔力が一気に減って危ないってのと、耐性無いやつが大量の魔力を浴びると動けなくなるんだ。『魔力あたり』って言って、俺等は多少耐えられるが今はアルが若干危なかった感じだ。」
「えっごめんなさい!」
「気にしなくていいよー。この中で1番耐性無いだけだから。」
ちょっと青い顔になってる。本当にごめんなさい。お詫びに前作った甘めのクッキーを渡した。
「症状は人それぞれで、頭が重いとか足が震えるとか体が動かなくなるとか恐怖を感じるとか色々。魔物が足止めに使うこともあるから覚えとくといいぞ。」
「はい。ありがとうございます。」
「また練習すればいいから、今日はおびき寄せる練習にしよう。矢を当てたり石投げたりして挑発するのもよくやることだから。」
石を投げるよりは魔法を当てる方が良いということで、小さいウォーターボールを当てて向かってきたら切ることになった。
色々試した結界、指をピストルみたいにして撃つと小さい玉が思い描く速さで飛ばせることがわかった。ちょっと見た目ちょっとイタイ奴になるけど気にしない。
慣れてきたからホーンラビに向かって撃って、こっちに向かってきたらなるべく首を切るように練習する。お腹に当たることが多かったけど、何とか使えるようになってきた。
「次は出来そうなのあるか?」
「んー。頭って傷ついても大丈夫?」
「角が無事なら問題ないぞ。食うのは体だけだし、皮が小さくなっても誤差だろ。」
「わかった。」
ちょっと大きめの石を飛ばすことにした。頭に当たれば
何回か繰り返してたら1回だけ胴体を撃ち抜いてしまった。強すぎたみたいだけど、これはこれでいいらしい。練習大事。
繰り返し練習しまくってたら20体くらい倒してた。袋に入りきらないから、血抜きをしたらみんなに2体ずつくらい持ってもらってギルドに帰ります。
門でプレートを見せたらお疲れ様って言ってもらえた。たぶん初めて街に来た時に見た人だと思う。手を振られたからバイバイを返すと喜んでもらえた。よかったです。
ギルドに着いてからは納品のお勉強。薬草ならそのままカウンターに出せばいいし、魔物ならその時々で指示されるから従えばいいらしい。
受付にサリアさんがいたから納品の確認をお願いすると、大きな箱を持って来た。その中に全部入れたら解体の部屋に運ばれるらしく、解体が終わるまで少し待つように言われる。
ガイトさんたちと反省会をしてると、サリアさんに呼ばれた。カウンターに行くとお金と小さいガラスみたいなのが何個か置かれてた。
「まずこちらが魔石になりますので、お持ち帰りください。報酬は21体の討伐になりますので1470ケルになります。このままお渡ししますか?プレートに入れますか?」
「プレートにお願いします。」
「かしこまりました、お預かりしますね。」
前ユシリスさんが使ってた板でお金の処理をしてもらう。今回は余裕が無いのでギルドの鑑定のお仕事は出来なかった。
「お返ししますね。お疲れ様でした。」
「ありがとうございました。」
納品を終わらせてみんなでお家に帰る。薬草の納品は忘れてるし魔石もらったけどよく分かってないけど、疲れすぎて頭から抜けてるリンさん。
お家に着いたら先にシャワーをあびさせてもらって夕食を食べたらもう眠い。
ごちそうさまをしてディアに埋もれたら、そのまま寝てしまった。
アルダさんに部屋に運ばれて、お布団に入れてもらったことも気づかず、ぐっすり寝るのでした。
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