第69話 初心者です。
今日から冒険者として働きますリンですおはようございます!
朝のギルドは殺気立った冒険者でいっぱいだから、朝ご飯を食べて落ち着いた頃に行くのがいいんだって。畑の管理は朝食前に終わらせた。
「おはようございます!」
「おはよう。元気だな」
「楽しみで。」
「飯食ったら全員で行こうな。初日は上位の冒険者がついて教えることになってるから。」
「はーい。よろしくお願いします!」
「リンちゃんおはよう。お昼ご飯準備したから持っていってね。屋台で買って行くのもいいんだろうけど、食べ物持ってるだけで安心できるからね。」
「フランクさんおはようございます、ありがとうございます。」
フランクさんに渡されたのは、かご編みのランチボックスと水筒。ボックスにはサンドイッチと果物が入ってて、水筒は冷たい紅茶。こっちの水筒は金属製で魔法付与つき。温度とか品質が保たれ便利仕様。
みんなで朝食をとったらお弁当を持ってギルドへレッツゴー。
依頼が貼ってある掲示板には薬草の値段が書いてある。これは持ってるの納品するだけで良いと思う。中級薬草があったら育てるためにちょっと欲しいんだけどね。
「これ受けます。」
「いいと思うぞ。」
私が選んだのはホーンラビという魔物5体の討伐。森の浅い所に多くて次々増えるから常に討伐対象。そして初心者が討伐の練習をする魔物でもあるらしい。
カウンターにサリアさんがいたから依頼書を出して手続きしてもらう。
「今日が初めての依頼かしら?」
「はい。みんなが教えてくれるらしいです。」
「豪華メンバーね。討伐した魔物はそのままでも良いけれど、納品用の袋もあるの。小さい魔物や薬草なんかをまとめて入れるのには便利なのだけれど、購入していく?」
「んー、どのくらいの大きさですか?」
「これよ。ホーンラビなら5体くらい入るわね。」
「これ2枚ください。」
「銀貨4枚になります。」
「はい。ありがとうございます!」
「はい確かに。気をつけて行ってらっしゃい。」
「いってきまーす」
買ったのは丈夫な麻袋2枚。これに入れてからカバンに入れたほうが出す時に楽だし便利だと思う。
「出来たか?」
「うん、完璧。」
「んじゃ行くか。」
「はい!」
今日は外に出る用のパンツにブーツ、髪を隠すためのローブにポーチとナイフを腰に付けて動けるスタイル。
門を出る時はそのまま出ていいけど、戻ってきた時はプレートを見せれば入れるらしい。
「んじゃまず簡単なチュートリアルだな。」
ガイトさんから注意点やルールなどを教えてもらう。必要以上に狩らないことや、火をつけたらちゃんと消すとこ、自分のレベル以上の魔物に喧嘩を売らないことなどなど。他にもあるけどやりながら覚えるのがいいみたい。
「ホーンラビ見たことないよな?」
「うん、ない。ないけどいるのは分かる。」
3か所矢印?が出てて魔物の名前が分かると説明すると、特殊能力になるから他には言わないように注意された。ここにきて神様スキル発動したらしい。鑑定のレベルが上がったからかな?
「倒せるか?」
「やってみます」
そーっと近づいて見えたのはウサギの魔物。額の角は渦巻きになってて刺されたら絶対痛い。イメージしてたウサギよりちょっと大きいかもしれない。耳は立ってて白や茶色、クロもいるからわりとカラフル。
こっちに来られると怖いから、土魔法で固定してからウィンドカッター。動いて位置がズレたけど、首に当たってそのまま倒れた。
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名前 ホーンラビ
特徴 小型の魔物。攻撃力は高くないがすぐ増える
備考 冒険者用の干し肉に使われる。(そのまま焼いても美味しいよ。)
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干し肉ってあるんだ。
「やけにすんなり倒したな。」
「それによく当たったね。」
しゃがんで鑑定してたらガイトさんとアルダさんが近寄ってきた。ディアと練習してたことを伝えたけど納得はできなかったらしい。なぜだ。
その後は近くの川まで行って血抜きの方法と簡単なさばき方を教えてもらった。いっぱいある時は木を組んでそこに吊るすとか、首を切って倒すと血抜きもしやすいし皮を剥がしやすいとか。
小さい魔物は解体しないで納品してもいいらしい。大きいのは持って帰れ無いし、解体したり証明部位だけ持ち帰ることもあるんだって。
私はそのまま持ち込もうかな。血を見ることに抵抗はないけどやらなくていいならやりたくない。
ちなみに、解体が上手なのはナリアルさんとアルダさん、次にレイさんで、ガイトさんとカルダさんはどっこいどっこいだった。
血抜きしたあとは皮を洗って綺麗にして、お肉を葉っぱで包んだら完成。地面に染み込んだ血はなるべく水で流して、クリーンをかけたら終わり。
血の匂いで他の魔物が寄って来ることもあるから、後処理が1番大事だと教えてもらった。ちゃんと守ります。
みんなそれぞれ1体ずつホーンラビを解体してたから、お肉がいっぱい手に入った。私のは納品で、他のみんなが獲ったやつはお昼に食べることに。気づいたらお昼になってて驚いた。
木を組んで火をつけて、ウサギ肉を2つ丸焼き。ディアには生肉3つと焼いたの1つ丸々。足りないと思ったけど帰ったらご飯が食べれるし大丈夫みたい。
フランクさんに作ってもらったサンドイッチを食べて、余裕があったからお肉を少しもらった。良くも悪くもクセがないお肉って感じかな。味を付けないと食べにくいけど、なんの料理にも出来そう。
その後はどの辺にどのくらいの強さの魔物がいるかを教えてもらって、薬草が生えてるだいたいの位置も教えてもらった。
午後もホーンラビと格闘するので楽しみです。
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