第65話 試行錯誤
小屋に戻って作業します。さっきフランクさんに聞いたんだけど、今日の夕飯はオークカツだって!いわゆるトンカツ。楽しみだね。
今日の目標はMPポーションを作りまくりたい。味に納得できないから。
〈今日はMPポーション作りまくります、先生。〉
〈魔力の確認忘れるなよ。〉
〈はーい。休憩も多めにとるよ。〉
〈そうしてくれ。〉
まずは茹で薬草の水倍で紅茶を作ってみる。茹でるためのお鍋やザルやトングは、全部作業台の下に収納済み。MPの多くすると魔力ごっそり減るんだよねー。
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名前 MPポーション【紅茶】
特徴 魔力を250回復
備考 (紅茶風味。サラサラと飲みやすい。)
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〈うわーお。急に完成しちゃったかも。しかも回復量増えた。なぜ?〉
〈良いのが出来たか?〉
〈うん。できちゃった。ちょっとびっくり〉
〈魔力の減りが早い。何か食え〉
〈はーい。〉
何で回復量増えたんだろう。抽出はノーマルと同じくらいだったけど、必要な魔力は多かった。それが原因かな?
〈次は美味しいの作るぞー!〉
〈楽しそうで何より。〉
ってことで、レモンティー作りたい。材料そのままで紅茶とオレンジ(レモン)、ちょっとだけはちみつを入れて飲みやすく。女性人気まちがいなし!
抽出時間は変わらずで魔力はちょっと増えたけど、問題なく完成。
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名前 MPポーション【レモンティー】
特徴 魔力を250回復
備考 (さっぱり甘いレモンティー風味。サラサラと飲みやすい。)
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〈いいのできたー〉
〈それはよかった。〉
クッキーをかじりながら紅茶を飲む。今日のはミント入りでスッキリ飲みやすい。
次はアポティーも作ってみようかな。りんごの紅茶って期間限定であったりするよね。好きなんだ、あれ。
紅茶とアポを入れて抽出。はちみつ入れなくてもアポの甘みで十分甘いと思うんだ。
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名前 MPポーション【アポティー】
特徴 魔力を250回復
備考 (アポティー風味。サラサラと飲みやすい。)
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〈なんか普通に出来ちゃった。〉
〈良かったじゃないか〉
〈集中しなくても作れるようになってきた。〉
〈話しながらでも作ってるもんな。〉
〈今日はもういいかなー。お家戻って紅茶をいっぱい作りたい。〉
〈戻るか〉
完成した物はみんなに報告する分を残してあとは棚にしまう。水回りやお鍋たちをキレイにしたら、道具を片付けて完了。
「フランクさーんキッチンお借りしまーす!容器とか使っていいですかー?」
「いいよー!気をつけてねー」
裏庭でお洗濯を片付けていたフランクさんに声をかけてからお家に入る。ディアはリビングのラグでのんびりするらしい。そばにいなくても頭の中で話せるから、近くにいなくてもいいもんね。
最初にレモンの砂糖漬けを作ります。ついでにオレンジでも作る。キレイに洗ったら輪切りにして、保存容器に敷き詰めたら砂糖をかぶせ、もう1回敷き詰めて砂糖をかぶせを3回繰り返したらしばらく放置。
その間に同じことをオレンジでやったらそれも放置。カバンとか保管庫に入れると時間が止まっちゃうから、しばらくキッチンに置いといてもらおう。
お次は減ってきたチャマイルのお茶。畑で採れるからカバンにいっぱいあるんだよね。お茶入れとく用のボトルは前に作った時フランクさんにもらったけど、自分用のやつ買うべきな気がする。作業小屋にも置いときたいし、外に冒険出るなら必要だもん。
あとはミントティー作って、全部半分をキッチンの保存箱に入れておく。いつでも誰でも飲めるようにね。
「紅茶作り?」
「うん。このオレンジたち、しばらく置いといてもいい?」
「いいよ。いつまで?」
「明日の朝までかな?」
「りょーかい。これからオーク肉揚げるけど、何かする?」
「オレンジのソース作る。さっぱり食べたい人用にいいし、サラダにも合うと思うんだ。」
「それじゃあ任せた。」
「任されました!」
てことでレモンソース作り。レモン果汁とはちみつと軽く塩コショウ、ちゃっとだけ白ワインを入れたらお鍋に入れて、とろっとしたら完成。
「フランクさん、これどうですか?」
「味見させてね。…うん、おいしい。ブラウンソースは売ってたやつがあるから、それでいいね。」
「サラダ盛っちゃうね。」
「一応2皿に分けておいて。みんな帰って来るの遅かったら別で出すからさ」
「わかった。」
いつもより小さめのお皿にもさっと盛り付けたら終わり。
「先に食べちゃおうね」
「はーい。」
初めてフランクさんとディアと3人の夕食。ちょっとさみしいけど、トンカツが楽しみすぎる。いただきます!
「おいしーいっ」
〈これはまた、食感がいい。〉
「それはよかった。我ながら完璧だね」
パン粉は手作りだからちょっと大きくガリガリ、お肉は脂少なめの部位なのかさっぱりしてて食べやすい。ディアにも好評です。レモンソースもブラウンソースも合うし、野菜もモリモリ食べれるし、ふかふかのパンも美味しい最高。
「パン粉はいっぱい作っておこう。」
「お手伝いします。」
ガリッとかじってパンを食べ、ガリッとかじって野菜を頬張る。無限ループです。
「あいつらの分絶対足りない。もっと作らなきゃ」
「わたしもやりますよ。」
「食べ終わったらやろう。」
「りょーかいです。」
3人でトンカツを楽しんだら後片付けをしつつ追加で調理。ガッツリメニュー大好きメンバーたちのために大量にお肉を切って揚げていく。
わたしがパン粉をつけて、フランクさんが揚げていく。分担作業だいじです。
揚げ終わったら私はお風呂。みんなに会いたかったけど、いつになるか分からないから先に寝ることにした。
明日には会えると良いなー。
楽しい美味しい1日でした。
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