第62話 はじめまして。
みんなでソファーに座って、紅茶を飲みながらお話開始。ディアは隣にお座り。椅子に座った私より背が高いのよ、すごいよね。
「この2人が今日紹介するって言ってたやつら。冒険者ギルドの職員で、リンがギルドで鑑定の仕事する時の担当兼、困ったことがあった時の相談役。リンのスキルについてもある程度説明してある。」
「ギルド職員のロレン・ワイナーと申します。よろしくお願いします。」
「初めまして、同じくギルド職員のサリア・フォスターです。どうぞサリアとお呼びください。そのチェーンたち、もらってくれてありがとう。」
ガイトさんの説明の後、それぞれ挨拶してくれた。この人たちが魔法付与で遊んだ職員さんだ!
「リンです。よろしくお願いします。このチェーンどっちもお気に入りです。」
ねっ?とディアに聞くと頷いてくれる。首をもふもふして2人を見ると苦笑い。
「ごめんなさいね、小さい個体だと思っていたから驚いてしまって。2体いるわけじゃないのよね?」
「ディアだけだ。変えられるか?」
〈問題ない。〉
ピョンっとして小さいディアに変身。街を歩く時はこのサイズだもんね。
「なるほど、ありがとう。理解したわ。戻って大丈夫よ。」
サリアさんに言われるとすぐに大きくなるディア。やっぱりこうやって見ると大きいねー。
「この2人は錬金も使えるし魔法付与も出来る。それを遊びで作って怒られた変わり者だが、仕事はできるらしい。小屋の棚に時間停止を付与してもらったし、明日確認してくれ。」
「ありがとうございます!」
「いいのよ、私達も楽しくて参加したから。それと、ロレンはともかく私は優秀よ。」
「ひどいなぁ。」
な?と言って笑ってるガイトさん。ロレンさんは苦笑いで文句を言ってる。たぶん仲良しさん。
「僕らは2人とも無属性を持ってるし、リンさんのことについて他言することはないから安心してください。」
「そうそう、鑑定の仕事についてなのだけれど、どのくらい来れるかしら?能力を持つ職員の人数って少ないのよね。」
「冒険者としての活動もするので、早く終わった日はお仕事します。月に3か4回くらいで大丈夫ですか?」
「ありがとう、十分だわ。報酬は手渡しにする?プレートに振り込む?」
「プレートにお願いします。」
「ギルマスにもそう伝えておくわね。」
鑑定のお仕事は週1くらいのペースで行けたらいいかなって思ってたからちょうどよかった。月の半分は冒険者として森に出て、半分はポーションを作ったり料理したりいろいろ実験もしたい。
「ご飯食べていくかい?」
「そうね、いただこうかしら。」
「僕もお願いします。」
「準備するから待っててね。」
お手伝いしようと思ったら、大丈夫だと頭をぽんぽんされた。
「キッチンに出来立ての料理を入れる用のボックスを置いたんだ。そこに時間停止を付与してもらったから、今後は出すだけで良くなるんだよ。」
いつもありがとうね、と料理を持って来たフランクさんさんが説明してくれた。せっかく2人がいるんだから、ついでにやってもらっちゃえってことになったんだって。
いつもより多めの唐揚げの山。食べたことのある2人は喜び、初めて見る2人は不思議そう。
「これはリンちゃんが教えてくれた肉の食べ方なんだ。ショユで味が付いてるからそのままで美味しいよ。」
それではどうぞ、とフランクさんからGOがでたらすぐに手を伸ばすガイトさんとカルダさん。唐揚げ美味しいもんね。前にメモに書いた醤油ダレ作ってくれたの嬉しい。
いただきますをして唐揚げをかじると、ジュワっと肉汁が出てきた。カリッとプリッととっても美味しい。
「うっま。」
「とても美味しいわ。どうやって作るの?」
職員さん2人にも好評みたい。フランクさんが揚げ物の説明をして、サリアさんが質問の繰り返し。お料理好きなのかな。
いろいろ情報をもらって嬉しそうなサリアさんと、お肉に夢中のロレンさんがいっぱい食べてくれて嬉しい。
私は私で錬金について教えてもらった。
魔法の付与にも方法があって、3通りのどれかでほぼ全部付与できるらしい。
1つ目は、手で持てるアクセサリーとか小物に付与する場合。ポーションを作る時に使ってる錬金陣の付与バージョンがあって、その上に乗るサイズの物はそこで出来るんだって。私とディアの持ってるチェーンとかアクセサリーはこの方法で作られてるらしい。
2つ目は、魔法を付与した物をくっつけるやり方。カバンとかボックスに使う方法。ボックスなら蓋か底板に魔法を付与して、それを組み立ててから発動させる。カバンなら内側の布か革に付与して、それを縫い付けてカバンの形にした後に発動させる。これなら複雑なのも複数付与もできるし、机に乗らないボックスとかにも出来るから便利なんだそうだ。
3つ目は、部屋とか棚とか動かせない物に付与する方法。魔法を付与した魔石かプレートを何個か作って、それを埋め込んだら魔法で回路を繋ぐらしい。部屋が大きければそれだけいっぱいの魔石が必要で、繋ぐのも大変なんだって。
今日やってくれたのは3つ目の方法で、ロレンさんが棚に魔石を埋め込んでそれをサリアさんが繋げたらしい。ありがとうございます。
ご飯も食べ終わって2人が帰った後、フランクさんと後片付けをしてからリビングでのんびり。
「早ければ明日か明後日にナルたちが帰ってくるから、出来たポーション類は全員集まったら報告会な。」
「はーい。明日は1日小屋にいてもいい?」
「いいぞ。最低限の準備しかしてないから、使いやすいように配置変えてくれ。」
「まってー。魔力登録するから明日行く時声かけてほしいよ。」
「忘れてた。俺とカルとフランクはもうしてあるから、リンとディアは登録してから入ってな。弾かれちまう。」
「分かりました。」
〈承知。〉
「カルダさん、ありがとうございます。」
「いいんだよ。今日はゆっくり寝るんだぞー。」
「はい。」
「「「おやすみ」」」
「おやすみなさい。」
いろいろあって忘れ去られた失敗ポーション。
鑑定もせずタグも付けず、適当にカバンに入れたそれを確認するのはもう少し後になりそうです。
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