第58話 お出かけ日和
おはようございます。とってもいいお天気。お出かけ日和とはまさにこのこと。
今日はカルダさんとフランクさんと街の中をめぐる予定。食料とポーション関係の瓶や紅茶、果物、小屋用のラグやクッションも見に行くから午前中いっぱいはお外。その間、ガイトさんがお留守番しててくれるんだって。
みんなで朝ごはんを食べたら出発。いつにも増して暖かいから、お出かけ用のワンピースに薄手の白いケープを合わせたガーリースタイル。ふわもこに見える白いケープは着てみると生地が薄めで意外と涼しい。いつも通りフードを被って髪色を隠すのも忘れない。
「今日はあちいから、人少ない所ならフードはずしていいぞ。」
ガイトさんから許可が出た。けど、このくらいは大丈夫。
「ありがとうございます。」
「おぉ。いってらっしゃい」
「行ってきます。」
私はフランクさんと並んで前を歩き、後ろに小さめディアとカルダさん。まずは市場にレッツゴー。
お野菜と果物をたくさん買って、お肉が大量に置いてあるお店に来た。
さすが異世界ってお肉が売ってた。
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名前 肉(コカトリス 胴体)
特徴 サッパリとした脂の少ない肉
備考 (鶏むね肉に似てるよ。)
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名前 肉(コカトリス 尻尾)
特徴 脂がほとんどない肉。パサパサとしている。
備考 (ヘビ肉。ササミに似てて不人気部位。)
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コカトリスって体が鶏で尻尾がヘビのあれだよね?ゲームとか小説でもわりと出てくるやつ。石化のブレス吐くとか言われるあいつ。食べれるんだ?
「コカトリスの肉が気になる?」
お肉をジーッと見てたらフランクさんが来た。手にはいつものロック鳥のお肉とオーク肉、ミノタウロスのお肉を持ってる。鶏肉、豚肉、牛肉の庶民セット。
「初めて見たから。どんな魔物なんですか?」
「鶏の胴体にヘビの尻尾を持つ魔物だよ。ヒュージボアよりも大きくて凶暴だから、基本は討伐対象で発見したらすぐ報告しろっ言われてる。毒を吹くから、討伐はランクC以上の冒険者か騎士団しか行っちゃ行けないって決められてるし俺は嫌い。」
「あまり出回らないし珍しいお肉ではあるかな。」
カルダさんいわく、解毒ポーション必須な魔物の1つらしい。毒は吹くけど石化はしないっぽい。さすがフランクさん、主夫目線ありがとうございます。
「なんでこんなに安いんですか?」
「あんまり人気がないからだよ。硬いしパサパサしてて食べにくいし、子供は絶対に食べたがらないからね。お嬢ちゃんは好きなのかい?」
お店の人が親切に教えてくれた。こっちでよく食べられてるのは、脂が多くて旨味の強いものに塩を振って焼いたのばっかり。むね肉とササミに似てるなら、パサパサしてて旨味も少なくて食べにくいんだと思う。
「これ、買っても良い?」
「いいよ。今日の夕飯にできる?」
「うん、できる。」
「じゃあ今後の為にもいっぱい買っておこうか。」
「今日はリンちゃんメニューか、やったぜ」
抱えてるお肉と一緒にコカトリスのお肉もいっぱい買ってくれた。ありがとうフランクさん、味噌漬けのタレ、メモに書いとくね。カルダさんがルンルンなのはなぜだろう。
このお店は冒険者が狩ってきたお肉をメインに売ってる所らしい。討伐された珍しいお肉とかもたまに出るんだって。おもしろいね。
売れないお肉をいっぱい買ったからって、ちょっと安くしてくれた。ありがとうございます。
その後ポーションの瓶を買って、前にラグを買ったお店に来た。紅嵐の人たちが使ってるお店だから安心安全。カルダさんもフランクさんもお店の人とお話してた。
ディアと2人でいろいろ見てまわって、栗色とグレーがマーブルになったラグと同じカバーのクッション、暗めグレーのブランケットを買った。作業小屋は暗い色の木で出来てるから、邪魔にならないように小物も暗めのトーンで統一。
ちなみに、リビングにあるラグはワインレッドで毛足の短いやつ。誰かが買ってきたけどお部屋には大きくて持て余してた物を、ディアと私のために出してくれたんだって。毛足は短いけどふかふかでよく寝れるラグマットです。
一緒にディアのお水を入れる用のお皿も買った。部屋用の可愛いのと小屋用のクール系、外で出せる木製のも何枚か。やっぱり必要だもんね。
お買い物が終わってお家に帰ると、ガイトさんがお庭で剣を振ってた。
「おかえり。」
「ただいまです。」
「リーダー今日の夕飯はリンちゃんメニューだって。残っててラッキーだったね。」
「まじか!午後の仕事頑張るしかねーな。」
カルダさんとガイトさんは私の料理が好きなのかい?珍しいのもあるか。作るのはフランクさんだけどねっ。
フランクさんがお昼ごはんの準備をしてる間に、味噌ダレ作り。料理酒もみりんもないから、味噌にお砂糖と料理酒代わりの白ワインをちょっとだけ入れた。
今日はコカトリスの胴体で味噌漬けです。焼く30分前にお肉に塗って馴染ませたらそれだけで完成。こっちは時間停止機能があるから、塗ったまま入れといて焼くちょっと前に出すのもオッケー。日本なら冷凍庫に入れとけばいいんだけどね。時間停止機能さん便利すぎる。
手順などなどメモに書いてフランクさんにお願いする。毎日料理をしてる主夫、すぐに理解出来たのか大量のお肉に味噌を塗って下準備してた。すごすぎる。
お昼ごはんを食べたら、午後は地下で魔法の練習。魔力があり余ってるからお昼寝はなし。そのかわりクッキーと果実水をいっぱい持って来た。
ディアとお話しながらバンバン発動、バンバン練習。
うっかりササミのチーズはさみ揚げの話をしたら食いついた。ディアさん生肉派ではないのですかね?調理したお肉も美味しいと気づいちゃった感じですか?
近いうちに作ると約束したので、今度作ります。パン粉あるかなぁ。
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