第57話 じゃんじゃん試そう

お昼寝から起きて体力と魔力復活。午後もディアと地下で魔法の練習します。


足に重りをつける事は出来たから、それを繋げる練習をしたい。手錠みたいなのが作れたらいいんだけど、動いてるところに作るのはたぶん無理。というか、土の塊で十分だと思うからやらない。


〈ディア、こっちに向かって来て。〉

〈走って良いのか?〉


〈うん、駆け足くらいでお願い。〉

〈分かった。〉


駆け寄ってくるディアの両前足に重りをつけたらそれを繋げる。繋がったけど、ディアが動いたら割れた。これはもろかった?ディアが強かった?どっち?


〈えっと…?〉

〈繋げる必要がないかもしれんな。地面に繋げる事は出来ないのか?〉


〈やっぱりそっちがいいよね。やってみる。〉


足を繋げるんじゃなくて、地面に縛り付ける方法に変更。あれこれ試すのも楽しい。


ディアに走ってもらって、右前足にだけ塊をつけて瞬時に地面に貼り付けると、出来ちゃった。たぶん順番の差だ。


地面から土を出すイメージだと遅いし弱くなる。逆に土の塊を先に作ってそれを地面に貼り付けると、足は勝手に地面につくから、そこを繋げればいい。


コツをつかんだかもしれない。何回かディアに走ってもらって、重りを付けては地面に貼り付け、付けては貼り付けの繰り返しをした。


適当にウロウロしてもらったり、止まってもらったり、不規則な動きをしてもらって練習。魔力が減ってきたらクッキーと紅茶で休憩して、さらに練習。


目を閉じてたらディアに動いてもらって、目を開けた瞬間に発動させる練習もしてみた。これが難しくて、足半分くらいしか包めなかったり軽くて余裕で動けたり。でもこれが1番効果的だと2人で考えて、残りの時間はひたすら繰り返してた。


そろそろ夕飯って時間にリビングに戻ると、ガイトさんとカルダさんがいた。


すぐにフランクさんがご飯を準備してくてれ、いただきます。今日の結果報告をします。


「足止めの練習しました。土の塊を足につけるのと、それを地面に貼り付ける方法。ディアに動いてもらってやったんだけど、難しかった。」


「動かない相手ならいいだろうが、あっちこっち動き回る獲物に狙いを定めて発動させるのは難しいだろうな。」

俺はそこまで狙えないし発動も遅いから無理だな、とガイトさん。メインは剣だし必要ないよね。


「リングまだ使える?」

カルダさんから不思議な質問。


「使えます?」

答えも疑問形になっちゃった。


「一応高レベルも対応出来るように作ったけど、複雑なことするなら足りないかなって。魔力操作しにくいとかって感じはない?」


「全く感じないです。考えもしてなかったけど。」


「もし操作がしにくくなったらすぐに教えて。魔力が多すぎたりすると負荷がかかって使えなくなる可能性あるから。」


「わかりました。ありがとう。」

カルダさんお手製のリングだからすぐに使えなくなることはないだろうけど。まだまだ魔力も上がってるし意識しておこう。


「明日は何するの?」

「午前中はポーション作って、午後は魔法の練習する予定です。」

フランクさんが何か考えてる。


「買い出しに行くけど、一緒に行く?たまには外に出たいかなって思って。」

魅力的だけど、出てもいいの?


「カル、明日なんかあるか?」

「何もないよー」


「そんじゃカルも買い出しに同行な。魔法使えるのが3人と1匹ならさすがに安全だろ。」

私も使える人間に数えられた。1番強いのってカルダさんかな、ディアかな。フランクさんだったりして。


「見たいのとかある?」

「んー。あっ、ラグマットとかクッションが欲しいの。小屋の大きさも分かったし買いに行こうねってディアと言ってて。」


「リンちゃんラグに座るの好きだもんね。」

「椅子だと足が浮くし、下の方が落ち着くかな。ディアと寝れるし。」


「なら明日はもろもろの買い出しとリンちゃんのお買い物だねー」

「よろしくお願いします。」


フランクさんとカルダさんが行くお店の相談をしてるので、私は黙々と食べ続ける。今日のご飯はロック鳥のシチュー。旨味の強いお肉と赤ワイン系のシチューは相性抜群です。


パンをおかわりしてシチューも少しだけおかわり。最近食べる量が増えてる気がする。休憩のたびにクッキーも食べてるのにご飯はもりもり食べれる。


ディアのお皿には生肉とシチューが大量に盛られてる。主食も野菜も食べず、お肉だけ。これは食費がかなりかかってそう。早くお金稼いでディアのお肉代渡さないと。


ポーション作りは楽しいし、魔法も未知すぎて楽しい。好きな料理もして可愛い相棒がいて、さらに頼れる大人がいる。


こんなに幸せでいいのかなって思うけど、この幸せはポーションや薬草を売ったりして返していこう。


ごちそうさまをしたら、シャワーを浴びてまたリビングに戻る。ディアのお腹をもふもふしながらみんなで食後のお茶タイム。


あれこれ動きつつも、夜はまったりゆっくりする時間。この時間が好き。


〈楽しいね。〉

〈それはよかった。〉


大きくなったディアにほっぺを鼻でつつかれる。首元をわしゃっとしてお腹に埋もれると暖かくて気持ちいい。最高です。


眠くなってきたから、今日はもうおやすみなさい。


明日はもっと楽しくなるよね、ディア太郎。

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