第56話 戦いの基礎?

おはようございます。今日は予定通り魔法の練習をします。


朝の日課となった薬草たち採取と水やりを終えたら、フランクさんと朝食の準備。慣れてきて邪魔せずスムーズに出来るようになったの。料理が好きだったからサラダを千切って盛るだけでも楽しい。


全員そろっていただきます。ガイトさんとカルダさんは今日も外出の予定。夕方前には戻る予定らしいから、今日のお昼ごはんはフランクさんとディアの3人だけらしい。


ごちそうさまをしたらお片付け。終わったらそのまま地下にレッツゴー。


〈ディア先生、よろしくお願いします。〉

〈うむ。〉

それらしい挨拶をして2人で笑ったあと、ちゃんと練習。


現在のステータスはこんな感じ。


−−−−−−ステータス−−−−−−

名前 リン

年齢 8才

職業 (未定)

HP 63/65

魔力 765/780

スキル 生活魔法(3/5)、風魔法(2/5)、土魔法(2/5)、水魔法(3/5)、鑑定(3/5)、錬金魔法(2/5)、精神苦痛耐性(4/5)、身体苦痛耐性(4/5)

備考 転生者

−−−−−−−−−−−−−−−−−−


体力があまり増えないのは子どもだからなのかな?疲れやすいわけじゃないし、特に気にならないけど魔力がメキメキ上がるから差がすごい。


まだ数日なのに錬金魔法はもうレベル2だし、やっぱりこっちの成長はかなりはやいね。


〈まずは自分の足を固める練習をするんだ。硬さ、範囲、重さなど使って覚えろ。〉

〈あいあいさー!〉


考えても分かんないから、やってみる。足を地面に固定させるイメージで土魔法を発動したら、どんどん足が土に飲み込まれていって固定された。


出来たけど。けどですよ。完成したら動けないけどジワジワ作ってる途中なら全然余裕で動けるし。何か違うから消す。


〈固定はできたな。〉

〈固定はね。遅すぎてびっくりした。〉


〈最初はそんなものだ、いろいろ試せば良い。〉

〈うん。やってみる。〉


シュッと一瞬で固定できたら良いんだよね。


もう1回イメージして発動。今度は一瞬で足が包まれたけど、硬さが足りず私でも壊せてしまった。粘土を乾燥させたくらいのもろさ。これもダメだね。


〈ディアー、お手本みせてー〉

先生に泣きついたらすんなり立ってくれた。優しいディア先生です。


〈やって見せるが、氷と土じゃ性質が違うから同じようになるとは限らんからな。〉

〈わかりました。〉


3、2、1…とカウントダウンを始め、0の瞬間にディアの足が凍りついた。地面から水が上って一瞬で固めたんだと思うんだけど、氷魔法?


〈今のは水?氷?一瞬だったから分からなかったけど、動きがなめらかだった気がする。〉


〈どっちも正解だな。我らスノーケーニヒが水属性だと言われる理由でもあるが、氷の前には必ず水が存在する。それを一瞬で変化させるから氷魔法になるだけで、実際は両方を使っているようなものなのだ。〉


〈それ、地面に固定してる訳じゃないんだね。〉

〈小物なら足が重くなっただけで動けなくなるし、大きいやつなら繋げてしまえばいい。〉


こんな風に、と後ろ足の氷を繋げて固定した。そっか、足が動かなければいいだけだから地面は関係ないんだ。


〈ありがとう!やってみる。〉

足枷あしかせになればいいんだから、片足だけでもいいはず。足を重い石で覆うようなイメージで土魔法を発動すると、一瞬で右足がちゃんと重くなった。


思いっきり力を入れたら持ち上がるけど、走ってる途中だったら転けるし遅くなるはず。何度か練習したらスムーズに発動出来るようになった。


〈ディアにやってみてもいい?〉

〈いいぞ。動くか?〉


〈ううん、止まっててほしい。固めて動けるか試して欲しい。〉

〈わかった。〉


いくよーと声をかけて土魔法を発動し、ディアの右前足に重りをつけた。相手につけるのも大丈夫そうです。


〈動ける?〉

〈かなり重い、これで走るのは難しそうだ。ヒュージボアくらいなら完全に足止め出来るはずだ。〉


右前足を持ち上げてプラプラしたあと、ダンッと地面に叩きつけたら重りが砕けた。強すぎない?走れはしないけど簡単に動けそうじゃん。


〈もうちょっと硬い方がいい?〉

〈いや、これを砕けるレベルのやつの方が圧倒的に少ない。両足に付ける方が効果的だ。〉


〈もう1回やってもいい?次は軽く動いてほしい。〉

〈いいぞ。〉

テッテッテッと訓練場を左右に往復するディア。


今度は後ろ足に重りを付けたいから、狙いを定めて発動。右後ろ足に土の塊が付いて歩きづらそうになったのを確認して、左後ろ足にも発動。


リズミカルに動いてたディアの動きが鈍くなった。


解除して、もう少し早く動いてもらう。狙いを定めて発動したら失敗。もう1回発動して成功。さらにもう1回発動してこれも成功。早くても対応できるかな。


〈どう?〉

〈かなり動きづらい。急にこれが付いたら驚いて動きも止まるだろうな。〉


壁をダシッと蹴って重りを砕くディア。それ出来るのって少ないんだよね?大丈夫だよね?


〈今度はこっちに向かって来て欲しい。〉

〈分かった。〉


今度はこっちに向かってテッテッテッと歩いてくるディアの両前足に魔法を発動。上手く付いて動きが鈍くなった状態で歩いてきて、目の前でお座りした。


〈走ってる状態でこうなったら顔面から転ぶだろう。いい武器を手に入れたな。〉

ダンッダンッと砕きながら褒めてくれた。強すぎないですかね。


〈ありがとう。もっと使いこなせるように練習するよ。〉

〈もう昼前だ。戻るぞ〉


ほんのさっき始めたと思ったんだけど、かなり時間が経ってた。


リビングに戻るとフランクさんがご飯の準備をしてくれていた。ありがとうございます。


今日のお昼は薄焼きのパンにサラダとお肉を好きなだけ巻いて食べるセルフ式。トルティーヤ?タコス?そんな感じのやつ。


大好きなメニューをモリモリ食べて、少しお昼寝。


寝る子は育つって言うんだから体力も増えてほしいです。

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