第53話 みんなの報告会

夕食の時間。唐揚げのいい匂いがしてるから、フランクさんが頑張ってくれたんだと思う。醤油ベースかな、楽しみ。


いただきますをして食べ始めると、みんな唐揚げに夢中。一応大皿にドーンと盛ってあるけどそれぞれのお皿にもすでに5個ずつくらい乗ってる。


「これ美味えな!また作ってくれよ!」

「いくらでも食べれます。」

「美味しいね。」

ガイトさんとナリアルさん、アルダさんは何故かこっちを見て感想を言う。本当に美味しい。さすがはフランクさん、雑なメモだけで完成させちゃうとは。


大人気の唐揚げを猛スピードで消費しつつ報告会の始まりです。


「よし、まず小屋についてな。明日から大工たちが入って2〜3日で小屋が完成するから、それまでは何人か出入りする。注意してくれ。」


「扉は小屋が出来たら大きさを揃えて作るから、使えるようになるのは完成した2日後だと思っといて欲しいかなー。」


「こちらは養子申請がやっと王のもとに届き、現在書類の発行待ち状態となっています。明日から私とアルダ、レイは王都に向かいますので数日間不在になります。」


「俺とカル、フランクが家にいるしディアもいるから心配ないだろうけど、リンはあまり外に出るな。承認待ちの今が1番危険なんだ、人も入るし基本は家の中にいてくれ。畑の水やりは誰か大人と一緒に行くこと。いいな?」


「はい。」


ガイトさん、カルダさん、ナリアルさんの報告。養子申請ちゃんと受理されたら森にも行けるし楽しみだね。


「俺からもうひとつ。薬草についてはギルドの上の連中に話し合ってもらうことになった。とりあえずは決まった量を売る。ポーションはギルマスと話したんだが、今は売らないほうがいいだろうということになった。味の無い普通のポーションなら買ってくれるそうだが、味がある改良品は扱いが難しいからしばらくはここだけで。また決まったら話し合おうな。」


ガイトさんがギルドに行って話し合いしてくれたんだよね。ここ数日毎日お水をあげてるけど、薬草たちは順調に育ってる。順調すぎて怖いくらい増えてるんだよ、売れるならありがたい。


「ポーションは効果変わらず味が変わった。水の量と魔力の調整が必要だった。」


報告に私のポーションも入るのか。レイさんが変わりに報告してくれてるから聞かれるまでしばらくもぐもぐしてる。机にポーション出してあるしタグもあるから大丈夫。


「水の量を変えたら味が変わったと。魔力量はどのくらい変わりました?」

「2〜3倍です。余裕もって魔力を残したとしても、MPポーションは1日に3回作るのが限界かなって感じです。」


ナリアルさんがポーションをジーッと見ながら聞いてきた。ご希望の紅茶にしてみました。


「時間も倍以上かかってたな。」

「わたしも長く感じました。ツラくもないけど疲れるなーって。」


やっぱり長かったですよねーとレイさんと2人顔を見合わせる。次はちゃんと時間を計ろう。


「これで1回だろ?だいたいポーション瓶15本分ってところか。水分増やせば1回で出来る量も増えるが、魔力がゴッソリ無くなると。他の奴に作れるかは微妙だな。」


「リンちゃんが今700弱くらいでしょ?だいたい錬金やる人ってそこまで魔力多くないから、微妙どころか1回成功したら崇められるレベルだよ。」


カルダさんが呆れ半分でやれやれしてる。気づいたら魔力めちゃめちゃ増えてたんだよね。毎日地味に使ってるからかな。


ちなみに私のステータスはこんな感じ。


−−−−−−ステータス−−−−−−

名前 リン

年齢 8才

職業 (未定)

HP 24/50

魔力 90/680

スキル 生活魔法(3/5)、風魔法(2/5)、土魔法(2/5)、水魔法(3/5)、鑑定(3/5)、錬金魔法(1/5)、精神苦痛耐性(4/5)、身体苦痛耐性(4/5)

備考 転生者

−−−−−−−−−−−−−−−−−−


あ、生活魔法と鑑定がレベル上ってるし錬金魔法もある。昨日はまだ2だったし、錬金は無かった。今日で思いっきり増えたのか。


「錬金魔法が増えました。」


ステータスを確認して報告し、唐揚げを口いっぱいに詰め込んでもぐもぐしてたら全員が見てきた。さすがに迫力あって怖いですよ?


「もうスキル獲得したのか。」

「さすがと言うかなんというか。」

「まぁリンちゃんだし。」

「そんなもんだろ。」

「…。」


はい、呆れなのかよくわからない反応されました。しょーがないじゃん増えてたんだもん!


お腹いっぱいになったから大きいディアのお腹に埋もれる。疲れたしもう眠いけどまだみんな報告やら相談やらしてるから一応リビングにはいる。


〈唐揚げおいしかった?〉

〈あぁ。生肉が1番だと思ってたが、調理した肉も美味いもんだな。今日のは絶品だった。〉


〈それはよかった。また作ってもらおうね。〉

〈あいつ料理の腕上がったな。〉


ディアはフランクさんのご飯が好きらしい。よかったよかった。


ご飯も話し合いも終わったのか、みんなシャワーあびてお酒を飲むみたい。私は先に寝ます。


おやすみなさいを言って部屋に戻ると、ディアは小さくなって一緒にお布団に入る。温かくてぬくぬくです。


楽しい1日だったよ。

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