第41話 のんびりしようか。

次の日、起きて支度をしたらキッチンに行く。今日も朝食準備のお手伝いをします。


ご飯を食べながら、今後の話とお約束。


まず、養子申請と家族関係登録が落ち着くまでは、森に行かない方がいいらしい。街へお買い物に出る時は必ずディアと誰か大人と一緒に行くこと。これはたぶんフランクさんが多くなると思う。


そして必ず毎朝ステータスを確認すること。魔力量やレベルが上がってたら必ず報告。


1番大事なのが、承認がおりて安心できるまでは外で属性魔法を使わないこと。練習をする時は必ず地下の訓練場ですること。ボンボンやってるのが見られたら目立つからってことらしい。


あとは承認がおりた後も武器屋のおじいちゃんにもらった防御アクセサリーとナイフ、カルダさん特製の制御リングは絶対に持ち歩くこと。なにが起こるか分からないからね。


みんながそれぞれお出かけしたので、私はフランクさんと家事をすることになった。お洗濯を一緒にする約束だったから、それを実行します。ディアは大きくなって木陰で寝てる。気持ちよさそう。


「洗面所から洗濯物取って来たから、この中に全部入れちゃってね。」


目の前には桶。私と大きなディアが入れそうなサイズのやつ大きいやつ。これは外用で、室内用の小さいサイズのもあるらしい。


桶の中に洗濯物を全部入れたらお水を入れる。入れると言っても、スイッチを押すだけ。洗濯用の桶は魔道具になっていて、スイッチ1つで水が出そるようになっている。自分で出してもいいらしい。


水がいっぱいになったら固形の石鹸を入れて、トルネード。すごいんだよ、魔法で洗濯機みたいに出来ちゃうの。私も風魔法でお手伝い。


グルグルし終わったら固形石鹸を取って、桶の横にある栓を抜いて水抜き。石鹸は硬いからなかなか減らないらしい。作った人すごい。


抜けたらもう1回お水を入れて、クリーンをかけたらトルネード。すすぎは1回でまた水抜き。


そこからは洗濯魔道具さん大活躍、びっくり機能の出番です。蓋をしてスイッチオン、あら不思議。脱水出来ちゃった。


完全に乾かすことは出来ないけど、風魔法の応用で脱水出来るらしい。すごすぎる。


干すのは背が届かないのでフランクさんにお任せして、私はシーツのお洗濯。見せてもらった通りにポチッとしてトルネードでグルグル。魔法の練習にもなるし見てて楽しい。


ちなみに、魔法が使えない人用にスイッチ押したら桶の中で水がグルグルなる魔道具もあるんだって。便利だね。


「ありがとう、助かったよ。夕方には乾くだろうし、取り込むのもお手伝いよろしくね。」

ディアと3人(2人+1匹)でリビングに戻ったら果実水とクッキーでちょっと休憩。いつものクッキー、美味しい。


「この後は何するんですか?」


「んー、クッキーでも作ろうかな。もう少しで無くなりそうだから。」

今食べてたクッキーの箱を見て言うフランクさん。


「フランクさんが焼いてるんですか?」


「そうなんだよ。あまり甘くない方がいいって言われて作ってたら、いつの間にか定番になってたの。それ、甘さ少ないでしょ?物足りなくない?」


「とっても美味しくて好きです。一緒に作ってもいいですか?」

クッキー作りはよくやってたし、趣味でもあった。久しぶりにやりたくなった。


「いいよ、やろうやろう。何種類か作って食べ比べもしよう。」

楽しそうにキッチンに戻るフランクさん。


ディアはリビングのラグで寝るらしい。ぎゅっとしてからキッチンに行く。


「なにか入れるのあるかなー…? あ、これ良いじゃん。」

食料庫から戻ってきたフランクさんの手には茶色の何かとドライフルーツ。


とりあえず鑑定かな。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−

名前 ウォルナット

特徴 木の実から取れる。栄養豊富。

備考 冒険者に人気のおやつ。長距離移動の時におすすめ。(渋みもなくて食べやすいのよ)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−


ウォルナット?くるみか。栄養豊富だもんね、冒険者には嬉しいおやつだ。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−

名前 クランベリー(乾燥)

特徴 船乗りに人気のドライフルーツ。酸味は少なく程よく甘い。

備考 (生だと渋くて酸っぱくて食べれないよ。)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−


まんまクランベリーのドライフルーツだ!しかも甘さがあるらしい。これは美味しいのが出来そう。

そうだ、種持ってるじゃん。


「フランクさん、これ使えないですか?」


「ん?これは何だい?何かの種っぽいけど。」

あれ、ひまわり…じゃくてヒシュウバナの種って食べないのかな。


「ヒシュウバナの種です。一応食べれるんですけど、売ってたりしないですか?」


「んー、あるのかもしれないけど僕は食べたことはないなぁ。このまま入れたらいいのかな?」


「はい。ウォルナットと同じ使い方です。」


「りょーかい。じゃあ作ってみようか。」


そこから2人でひたすらクッキー作りをした。ウォルナット、クランベリー、種の3種類と、2種類ずつ混ぜたもの3種類で合計6種類。


カリカリと香ばしいクッキーと、甘みのあるクッキーはどっちも美味しかった。大量に作ったからキッチンに置いとく分だけ残して、あとは箱に入れて食料庫で保存することになった。


お昼を食べたら午後は洗濯物を取り込んで、各部屋のセッティング。その後はキッチンを借りてチャマイルとミントのお茶を大量に作成。満足です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る