第37話 ぶっ放す!!
やってきました地下訓練場。
大人たち+ディアに見守られながら練習開始です。
昨日のおさらいと言うことで、まずは水を出してみる。ナイフ兼ワンド片手にバスケットボールをイメージしながら発動させると、倍以上の大きさで出てきた。さすがに弾けさせたらびしょ濡れになっちゃうから消滅させる。
「想像の倍で出ました…。」
驚きそのままナリアルさんたちに伝えると、みんなで苦笑い。想像の範囲内だったらしい。
「弾けなかっただけ上出来です。そのまま何度か続けてみてください。」
昨日と同じように魔力を絞って出さないとダメみたい。ちょっと集中して手に集める魔力を減らすように意識する。
お次はゴルフボールサイズをイメージしてみる。小さいから疲れるけど、操作の練習ならこれが1番いい。
発動させると、テニスボールサイズが出てくる。これじゃ大きすぎるから、もう1回。次は少しだけ小さくできたけどまだ大きい。もう1回。
5回目でイメージ通りのサイズが出せた。このまま大きいサイズをイメージして発動。今度はちゃんとバスケットボールサイズが出せた。
「リンさん、休憩しましょう。」
こっちにおいで、とナリアルさんから呼ばれた。
タオルで汗を拭きつつ果実水を飲み、一緒に置いてあったクッキーをかじる。
「やっぱ慣れるの早いよな。もうだいぶコツ掴めたんだろ?」
ガイトさんに聞かれたから頷く。
「魔力は余裕ありますか?」
ステータスで確認してこちらも大丈夫だと頷く。
「ここの土はかなり硬いんだけど、土魔法もやってみる?」
昨日はアルダさんの真似をしてた。土の硬さは考えてなかったな。
「硬さで効果は変わるんですか?」
「軟らかい方が扱いやくて、魔力も少なくてすむんだよ。最初は手をついてやってみて、大丈夫そうなら立ってみようか。」
大暴走しても怖いから、最初は手をついてやることにする。
汗も引いてきたし、操作練習再開します。
みんなからちょっと離れて地面に手をつき、30センチくらい盛り上がるようにイメージしてみる。最初は動く気配がなくて、違いに納得。
ちょっと手に集中して魔力を集めると、今度は一気に盛り上がった。はい、やりすぎました。
土の柱が完成した。天井が結界で守られててよかったよ!本当に!
「大丈夫!?」
慌てたアルダさんが駆け寄ってきて、土を戻してくれた。
「大丈夫です。びっくりしました…。ありがとうございます。」
地面についてた手を見詰めて、苦笑いで答える。
「魔力は平気?ダルくない?」
ステータスを確認するけど、そこまで減ってないしダルくもない。そう伝えると、一旦落ち着こうということでみんなの所に抱っこで戻された。
「すげー綺麗な柱立ったな。どのくらいでイメージしてたんだ?」
柱を見上げて爆笑してたガイトさん。
「30センチくらいです。」
このくらいの、と手でイメージした高さを表現しながら答える。
「約10倍か。最初ちょっと悩んでなかったか?」
「昨日と同じくらいでやろうと思ったんですけど、動く気配がなくて。ちょっと増やそうとしたら今度は集中しすぎちゃいました。」
えへへっと笑ってみたら、何もなくて良かったよ、と頭をポンポンされた。ご心配おかけしました。
「試しになんだけどさ、魔力を飛ばすイメージでやってみたらどう?」
魔法の天才カルダさんがそんなことを言う。
「あれはまだ難しいんじゃないですか?昨日の今日ですよ。」
「でもさ、最初から水出してポンポンやってたんだろ?出来そうじゃね?」
確かに…と納得するナリアルさん。魔力を飛ばすってどうやるんだろう。指からポンッと飛ぶ感じで良いのかな。
何となく指に魔力を集めてヒョイッと壁の的に当てるように動かしてみた。指からはビー玉くらいの水が出て的の手前の地面に落ちた。お??
「ほれ。出来たじゃん。」
私を指差しながら笑ってるカルダさん。周りは驚きフリーズしてしまった。
「リンちゃん、今の感じで魔力だけ飛ばして土を盛り上げるイメージしてみて。」
カルダさんからアドバイスをもらったから、試してみることにする。
ちょっと離れてさっきと同じように指に魔力を集めつつ、土のイメージ。ヒョイッっと投げると1メートルくらい盛り上がった。戻すのは同じやり方でいいみたい。
出来そうなので今度はちゃんと高さも考える。30センチくらいに盛り上がってねーと願いつつ投げると、ちゃんと想像通りの高さに出来た。
ちゃんと出来たことが嬉しくてみんなの元に戻ると、アルダさんが頭をなでてくれた。
座って水分補給をしながらお勉強。
まず、攻撃魔法のように魔法を飛ばす為にはいっぱい練習が必要なこと。ただ、順応型だと最初から出来る場合がある。それが私やカルダさん。
魔法は基本、手から離すのが難しい物ってことらしい。だからアルダさんも触って操作する方法を教えてくれたんだって。
出来る事が分かったから、あとは練習。
お昼ご飯の時間までは水を飛ばしたり、土をボコッとさせたりして遊んだ。
午後は攻撃魔法のお時間です。
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