第36話 チート…じゃないよね?
朝気持ちよく目覚めたら、枕元に丸くなったディアがいた。この大きさだと頭をなでやすくていいね。
外はまだ少し暗い。
着替えてディアと一緒にリビングに行くと、誰もいなかった。いい匂いがするのでキッチンに行くと、フランクさんがご飯の準備をしてた。
「おはようございます。」
「おはよう、早いね。よく寝れた?」
果実水を渡してくれる。いつでも飲んでいいように、キッチンの冷蔵庫にいっぱい置いてあるやつ。電気がなくても便利なこの世界、すごいよね。
「いっぱい寝ました。ご飯の準備、お手伝いしてもいいですか?」
「おっ助かるよ。じゃあこの野菜を洗って、ちぎってくれる?」
足元に台を置いてくれた。そして渡されたのはレタスの丸くならないタイプのやつ。お勉強のチャンスなので鑑定してみる。
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名前 リーフレタス
特徴 ごく一般的な野菜。サラダで食べられる。
備考 赤と緑の2種類がある。
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名前はそのまんまだ。洗ってちぎって大皿に盛っていく。3束分ちぎったら終わり。
「次は何をしたらいいですか?」
「んー。包丁は使える?」
見せてもらったのはペティナイフよりちょっと大きな包丁。大丈夫だと思います。
「そしたら、このトマを切ってさっきのお皿にお願い。切り方はお任せするよ。」
ボウルにゴロゴロと入ったトマト。長細い卵型で手のひらサイズ。こっちではトマって呼ぶみたい。
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名前 トマ
特徴 安価で手に入る栄養豊富な野菜。
備考 黄色はフルーツとして食べられる。(赤トマ、黄トマで呼ばれるよ。)
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果物の種類もあるらしい。
お肉は薄切りで焼いたのと、茹でたの2種類。フランクさんが器用にフライパンとお鍋を行き来してる。
「食料庫にパンがあるから、いつもの持ってきてくれる?」
カゴをもらったので食料庫に入る。野菜もパンもいっぱいあって、スーパーみたいで楽しい。
カゴいっぱいにパンを詰めてキッチンに戻ったら、お皿に山盛り乗っける。
「ありがとう、助かったよ。」
ご褒美ね、とクッキーをもらった。甘すぎずサクサクしてて美味しい。ありがとうございます。
2人でリビングに行くとみんな集合してた。シャワー後なのか髪が濡れてる人もいる。乾かさず放置スタイルなのはガイトさんとカルダさん。性格だね。
「おはようリンちゃん。フランクさんのお手伝いしてたの?」
「おはようございます。ちょっとだけです。」
アルダさんがおいでおいでをしながら聞いて来た。近寄ると椅子に座らせられた。
そのまま朝ごはんを食べつつ今日の予定を聞く。
「今日は攻撃系の魔法を使ってみましょう。アルダも一緒です。地下の結界も完璧に仕上がってるそうですし、安心して打てますよ。」
「俺たちは予定あるから午後から外出な。午前はちょっとリンの魔法見てみたいし付き合うよ。ディアは1日リンといるってさ。」
ナリアルさんとアルダさんに魔法を教えてもらう。ガイトさんたちは予定があるみたい。ディアに視線を向けると頷かれた。よろしくね。
「リンさん、魔力が増えたか確認していただけますか?」
昨日の今日で増えることなんてあるのかな。一応確認しとくか。
−−−−−−ステータス−−−−−−
名前 リン
年齢 8才
職業 (未定)
HP 37/37
魔力 485/485
スキル 生活魔法(1/5)、風魔法(1/5)、土魔法(2/5)、水魔法(2/5)、鑑定(2/5)、精神苦痛耐性(4/5)、身体苦痛耐性(4/5)
備考 転生者
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「あれっ?」
魔力が増えてるのも不思議だけど、レベルも上がってる。そんなに早く上がるものなのかな。
確認した内容を伝えると考え込んでしまったナリアルさん。そしてガイトさんを見て頷きあう。
何かあるのは確実だけど、とりあえず食事を終わらせてから考える事にして食べることに集中。
食べ終わったらソファーに移動して食後の紅茶を飲みながらお話スタート。
「質問があれば聞いてくださいね。リンさんは魔力順応型に該当すると思われます。」
そこからナリアルさんに魔力型について教えてもらった。順応型、反発型、何もない型無し。私は順応型だから魔力が増えやすく、発動がスムーズ。そしてレベルが上がったのはたぶん、魔力が一気に増えたから。
「今日は攻撃系の練習と言いましたが、午前中は魔力操作にしましょう。増えた分、操作がしにくくなってるはずです。」
ちょっとずつ上がればいいが、一気に上がってしまうと感覚が変わってしまうらしい。
やってみなきゃ分からないということで、フランクさん以外の全員で地下に移動。
訓練場は壁が白くて下は硬い土。反対の壁には的が書かれてる広い空間。ドラマで見る射的場みたいな感じ。
今日もナイフ片手に練習です。
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