第33話 楽しい魔法授業
午後の練習をするのに、ナイフを使おうということになった。おじいちゃんの特製ナイフ、今回はワンドとして使用。ワンドは魔力操作を助けつつ消費を抑えることができるらしい。
地下で遊んでたメンバーはまた午後も地下にこもるんだって。打ち合いしたり魔法を壁に当てたり、いろいろやってて楽しいみたい。
再びお庭に移動です。今度は立ってやることにする。サポートしてくれる2人はちょっと離れて椅子に座ってる。タオルも飲み物も準備万端。
ナイフを右手で持って、左は手のひらを上にして集中。さっきより小さい水の玉をイメージして魔力を手に集める。ナイフのおかげか、スーッと手に集まるのが分かる。
そのまま集中してジッと手のひらを見つめる。ちょっとだけって難しい。
手のひらが冷たくなった瞬間、バスケットボールくらいの水の玉が出てきた。びっくりして集中が切れてしまい、バシャッと弾ける。
もう一度手に集中。
今度はさっきよりも小さい玉が出せた。2回ポーンポーンと遊んだら、また弾けた。
さらに集中すると、すんなりゴルフボールくらいの水が出せた。ポンポンしても弾けず残ってる。弾けるイメージをすればバシャッとなる。
コツが掴めたからどんどん練習。大きく、小さく、大きく、小さく、と大きさを変えて出していく。
4回目の水をバシャッとしたらナリアルさんからストップがかかった。休憩しなさいってことらしい。
「上手に水が出せてましたね。コツを掴みましたか?」
テテテっと駆け寄って果実水をもらう。ほんのり柑橘系の味がして美味しい。
「なんとなく分かりました。ナイフを握ってると自由に動かせる感じがして楽しいです。」
そう感想を言うと、今度はアルダさんが土魔法を教えてくれるらしい。魔力を確認すると220になってる。さっきよりもかなり消費が少ない。
少し休憩して練習を再開する。
アルダさんが地面に座れるようにシートを持ってきてくれた。座ったら授業スタート。
「最初は土遊びから始めるよ。」
アルダさんの手元にあるのは水を含んだ柔らかい土。粘土っぽいから形を作りやすそう。
「土を手に乗せて、イメージだけで形を作るんだ」
こんな風にね、とお手本を見せてくれた。手のひらに乗せた土が勝手にグニャッと動き、ミニディアが現れる。
おー!と感動してると、形は何でも良いけどこれをやるんだよ、と笑われた。ちなみに、失敗すると弾けて土まみれになるらしい。それは嫌なのでナイフを握って挑戦する。
右手にナイフを持って、左手に泥だんごを持つ。考える形は簡単なお星様。手のひらに通す魔力は少しだけ、そこから土がうねうね動いてお星様になるようにしっかりイメージする。
少しすると動き出し、だんだん盛り上がって山になった。そこから削り出すようにイメージ。
くすぐったさに負けて集中力が切れた。その瞬間軽く弾けてしまった。土まみれにはならなかったけど、びっくりした。
「途中まで出来てたけど、集中きれちゃった?」
「手がくすぐったくて。我慢できなかったです。」
しょんぼり答えると、コツを教えてもらった。ゆっくり形を作るより、一瞬で掘り出されるイメージが良いらしい。
もう1度土を持って挑戦する。今度はパッと形ができるイメージ。手のひらに集中すると、一瞬で角の丸いお星様になった。このままもう1回角が尖った形をイメージ。
集中すると、すぐに形が変化してキレイな5角形のお星様が完成した。
「すごい、よくできたね。なんとなく土が動く感覚は分かった?」
「たぶん分かりました。」
それじゃあ実践しよう、とその前にまた休憩。
クリーンをかけてもらってお水を飲んで、魔力の確認。180だからまだ大丈夫。
休憩が終わったら庭の端っこに移動して、アルダさんのお手本を見せてもらう。
フッと手を上げる動作をしたら、土がボコッと盛り上がった。手を下げると土が平らに戻る。
「触らなくても出来るんですか?」
地面に手をついて発動させるんだと思ってた。
「最初は手をついてやった方がいいと思うけど、慣れたら見てる場所を変えられるよ。さすがに違う方向見ながら、とかは出来ないけどね。」
やってみて、と言われたので最初だから地面に手をつく。目で確認して、30センチくらい盛り上がるイメージをする。
一瞬でボコッと盛り上がった。そのまま戻るイメージをすると平らに戻る。
「できたねー、すごいよ。魔力が大丈夫なら立ったままやってみようか。」
水より扱いやすい気がするので、立って挑戦。
手を前に出してジーッと地面を見る。30センチの山が出来るようにイメージしながら手に魔力を集めると、地面に引っ張られる感覚があった。それを引き上げるようにちょっと手を動かしたら、ボコッっと1メートル近く盛り上がった。
びっくりしてアルダさんを見ると、こちらもびっくりフリーズしていた。
「飲み込み早いね。魔力は大丈夫そう?」
確認すると120になってる。立って挑戦するのはあと2回までと言われた。
休憩を挟んであと2回だけがんばろう。
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