第31話 街生活始まります

朝日で目覚めて伸びをする。昨日はお風呂から上がった後、リビングで髪を乾かしてもらってる途中から記憶がない。いつの間にか寝ちゃったみたい。

隣には小さいディアが伸びてる。おはよう。


着替えてカバンを肩に掛ける。冒険者のプレートも首からかけるのを忘れずに。


1階に降りたら洗面所に行って顔を洗う。歯磨きは専用の液体を口に含んでぶくぶくするだけ。慣れたらクリーンをかけるといいんだって。


リビングに行くとみんないた。ディアは入口のラグが気に入ったのか、すぐにそこで落ち着く。


「おはようございます。昨日はありがとうございました。」

「「「「「おはよう(ございます)」」」」」

みんながソファーから挨拶してくれた。


「今日はギルドに行ってお金を入れたら、魔法の練習をしましょう。私とアルダがサポートします。」


私の適性は風と土と水。ナリアルさんが水、アルダさんが風と土を教えてくれるらしい。


「よろしくお願いします!」

魔法が使えるようになったらいろいろ便利になるし、異世界に来たなら使いたいよね。楽しみ。


「おはよう。ご飯の準備できたよ。」

フランクさんが朝食の準備をしてくれた。


「おはようございます。お待たせしちゃいましたか?」


「ううん。みんな朝から打ち合いして今さっき戻ってきたところ。だいたい朝食はこの時間だからぴったりだよ。」


リビングの時計を見ると7時過ぎ。みんなは庭で打ち合いをしてシャワーから戻ったところらしい。


テーブルに着くと、大皿がドドンと置かれてる。近くにはスープの入った寸胴鍋。メニューはパンとスープとサラダ、薄く切ったお肉。昨日言ってた通り、各自で食べる分だけ取り分ける。


ディアにはお肉山盛り。いただきます。


「今日ナルとアルが着いていくだろ?ディア借りていいか?」

ガイトさん実はナリアルさんをナル呼びしてるらしい。ってそうじゃない。


〈なにするんだ?〉


「氷使えるんだろ?だから地下の訓練場の結界が耐えられるのか実験しようと思って。」

フランクも気になるみたいだし、とガイトさん。

そういえば試したいって言ってたね。


〈リンは大丈夫か?〉

〈わたし?大丈夫だよ。2人も一緒にいてくれるんだもん。ディアがやりたいなら、遊んできて。〉


安心したようにガイトに向かって頷くディア。たまには別々に行動してみてもいいよね。


全員食べ終わって、ごちそうさまをする。


「じゃあ決定な。フランク含め全員地下にいるから、なんかあったら呼べよ。」

と楽しそうに出ていくガイトさん。家事が終わったらフランクさんも合流するらしい。


「僕たちも行こっか。」


アルダさんの言葉に頷いて3人でギルドに向かう。今日は自分で歩いたよ。両手をアルダさんとナリアルさんに繋いでもらったけど。


ギルドに着いたらまた2階に上がってギルマスさんのお部屋に行く。


ノックをしてから声をかけるナリアルさん。

「ナリアルです。入りますよ」


「いいぞ。なんの用だ?」

中からギルマスさんの声。ドアを開けて入るとユシリスさんもいた。


「ちょっと下じゃ処理できないことがありまして。振込処理はここでも出来ましたよね?」


椅子に座って簡潔に説明するナリアルさん。お任せして大人しくしてる。


「できるが、依頼報酬なら勝手に入るだろ?」

「リンさんの所持金が大金貨2枚以上あります。前の世界から引き継いだお金らしいです。」


びっくりするギルマスさんとユシリスさん。ナリアルさんが出していいと言うので、机に全額ドンと置く。ついでに首に掛けてたプレートも置いておく。


やってやれ、とギルマスさんから指示されたユシリスさんが確認してくれる。


「金貨が大量に入った袋が3つ、さすがに持ち歩くのは怖いですね。お待ち下さい。」


ユシリスさんが戻ってくると、模様の書かれた鉄の板が置かれた。魔法陣みたいなものかな。


「どのくらい残しますか?」

どのくらいがいいんだろう。


「金貨10枚分も手元にあれば困らないでしょう。他を入れてもらって、残す分も両替をお願いします。」

ナリアルさんが決めてくれた。手元には10万円が残るらしい。


「この板は面白い仕組みなんですよ。見ててくださいね。」


そう言うと、金貨10枚だけ机に残して袋を板に乗せる。専用のくぼみにプレートをはめて操作をすると、お金がシュッと消えてしまった。


なんだこれ面白いしすごい。驚き見つめていると、種明かしをしてくれる。


「プレートにはお金を貯める空間が存在していて、そこから出し入れする道具がこれです。普段は受付でやっていて、依頼を完了した際にプレートに入れるかそのままもらうかを選ぶことも出来ますよ。」


ただ出し入れしたい時もやってもらえるそうだ。銀行みたいなシステムが存在した。昨日ガイトさんが使ってたカードも同じ仕組みらしい。


その後は金貨をそれぞれ大銀貨、銀貨、銅貨に変えてもらって終了。


「ありがとうございました。」

お礼を言うとユシリスさんに頭をぽんぽんされる。


「今日はなにをするんですか?」

「この後魔法を教えてもらいます。」

ね、と2人を見ると頷いてくれる。


「あまり無理をしないように頑張ってください。」

がんばれよーとギルマスさんからも応援された。ありがとうございます。


お2人の仕事を止めちゃいけないので、バイバイして帰る。


お家に帰る道中も2人と手を繋いで歩く。


この後の魔法の練習が楽しみでルンルンのリンさんなのでした。


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