第28話 やらかします。
その後は家具屋さんに入った。
特に挨拶が必要な人がいるわけじゃないみたいで、可愛いカーテンを1セットと、シーツと布団カバー、枕カバーを2セット買ってもらった。
ここでディアと座れるふわふわのラグマット発見!
楕円形で毛足が長く、クリーム色で所々にグレーが混ざってる。セットなのか似たような毛布も発見。
これは自分で買う!と主張したはいいけど、ここで問題発生。お金の単位が分からなかった。
合計5300ケルと言われ、困った私はバッグから適当に10枚のお金を出してアルダさんに渡した。突然の行動に驚かれ、ちょっと怒られた。ごめんなさい。
使ったのは出したお金1枚だけ。9枚はすぐに返され、さらにお釣りも帰ってきた。
無事に…?お買い物を終えてお店をでた。
「なんであんな大量に出した?」
ガイトさん、怒ってるわけじゃなく不思議そう。
「持ってるお金がどのくらいなのか分からなくて適当に出しました、ごめんなさい。アルダさん、急に出しちゃってごめんなさい。」
驚かせちゃったアルダさんにもちゃんと謝る。
「大丈夫だよ。もうしないでね。」
優しいアルダさんに頭をなでられ、はい、と頷く。
「金の単位教えてなかったか。すまん、こっちのミスだな。帰ったら持ってる金額教えてくれ。あとで少し勉強な。」
「幸い周りには気づかれなかった様ですし、大丈夫でしょう。お金はすぐに覚えられますよ。」
ガイドさんとナリアルさんはどうするか話し合ってる。ご迷惑をおかけします。
シュンとしてたらディアが近くに来た。
〈大丈夫か?〉
〈迷惑かけちゃった。〉
〈こいつらは心配してるだけだ。大金を持った子どもは狙われるだろうからな。〉
そういうことだと思う。すごく危ないことをしたのは理解してる。最初にお金のことを聞いておけば良かった。
〈どうするか話してるんだ、任せとけばいいさ。〉
ちょっと気が楽になって、ディアと晩ごはんは何かなんて話をしてたらお店に着いた。今度は何屋さんだろう?
「なんだい大勢で。」
「おばば、今日からうちで暮らすリン。冒険者になるからマジックバッグが欲しいんだけど、小さいのある?」
おばあちゃんがカウンターの向こうに座ってこっちを見てる。魔女さんみたいな全身黒尽くめ。
「はじめまして、リンです。」
「おやまぁ、可愛らしい子だね。私はここの店主でベルナルート。みんな『おばば』や『おばあちゃん』って呼んでるよ。」
優しい笑顔の素敵なおばあちゃん。
よっこいしょっと立ち上がって
「その持ってるのもマジックバッグだろう?それじゃあ足りないのかい?」
私が肩から掛けてるカバンを見て言う。
「逆なんだよ、時間停止付きなんだ。」
「そりゃあすごい。鮮度抜群の肉なんかが出てきたらびっくりだねー」
あはははっと笑って積み上がったカバンの山から2つ持ってきてくれた。
どっちも可愛い模様が入った半円型。1つは肩から掛けるタイプで、もう1つは紐がついてない。
「どっちも容量6倍、重さ軽減の優れもの。こっちはベルトに通して使うもんだ。」
そういって紐の付いてない方のカバンをひっくり返して見せてくれる。ベルトを通す部分がちゃんとついてた。
「どっちも可愛いね。どっちが良い?」
アルダさんは最初からカバンを買おうって言ってくれてたから、隣でわくわく一緒に見てる。
「こっちかな?」
ベルトに通して使う方を指差す。
すると、アルダさんがさっきおじいさんのお店で買ったベルトを出してくれた。
子ども用だから細めのベルト。カバンに通すとぴったりフィット。気持ちいいくらいフィットしてる。
「ぴったりだね。」
うん。これはおもしろい。
「それにするかい?街中を歩く時はお腹側に、外に出て動く時は背中側に回して使うんだよ。」
そういってカバンを包んでくれる。すぐにガイトさんがお支払い。ありがとうございます。
「擦り切れたり不具合が出たらここに持っておいで。修理もできるからね。」
はい、と頷いて受け取る。
またいらっしゃいな、と優しく微笑んでくれるおばあちゃん。また来ます。
お買い物も終わってお家に変える。
お外は暗くなり始めて、街灯に明かりがついてる。
今日1日いろんなことがあったけど、楽しかった。
ううん、まだだ!ご飯が楽しみ!
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