第20話 勉強、収穫、驚き

歩きながら他にもいろいろ教えてもらった。


この世界は13ヶ月あって、呼び方は1の月、2の月って感じなんだって。1ヶ月28日の1年364日。ここは地球と少し違う。


でも時間は同じで1日24時間。分かりやすい。


王国が北の方にあるからなのか、四季とか季節っていう感覚はなくて、だいたい4〜6の月の暖かい時期とその他の寒い時期って感じで分けてるらしい。


ちなみに今は5の月の頭。暖かくてよかった。


休憩の時にはナリアルさんに教えてもらって、いっぱい収穫できた。鑑定さん大活躍。


まずは見た目が万能ねぎっぽい植物。

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名前 ラオ

特徴 辛味がある人気の薬味。

備考 炒め物にどうぞ。(生はとっても辛いよ)

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大人に人気の野菜なんだって。普通に生えててちょっとびっくりした。お肉と炒めると美味しいって教えてくれた。


お次は大葉みたいなやつ。

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名前 薬草

特徴 ポーションの材料になる。

備考 そのまますり潰しても使える。

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普通の薬草発見!

森の奥で上級薬草はあったけど、普通のは分からなかったからこれは嬉しかった。


最後に見た目も名前もそのまんまの山菜

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名前 コゴミ

特徴 茹でて食べられる。

備考 お浸しにおすすめ。(ネバネバ美味しい。)

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これも普通に人気らしい。

茹でるとネバネバして美味しいよね、私は好きでよく食べてた。これも嬉しい。


その後も特に魔物が襲ってくる事もなく、お喋りを楽しみながら順調に歩いた。


あと少しで着くよってアルダさんが教えてくれて、ちょっと緊張してきた。森から出て街道っぽい道に出たと思ったら、カルダさんが走ってどこかに行っちゃった。


なんで?と思ってたらアルダさんが教えてくれる。


「スノーケーニヒが急に街に来たら皆を驚かせちゃうから、先に門まで行って伝えてもらうんだよ。契約してるから安心ですよって。」

 

なるほど、そういうことか。

可愛いユキヒョウさんの見た目だけどディアは強い魔獣なんだった。  


「ディアは強いもんね。」

〈無闇に人を襲ったりせんわ。〉

興味なさそうにフンッてした。可愛いね。


「門をスムーズに通るためだからね。」

ディアの反応を見て苦笑いのアルダさん。


〈小さくなればいいか?〉

そう言うなりピョンッと飛んで着地。

そこには柴犬サイズのディア。びっくりしすぎて私もアルダさんも思わず立ち止まってしまう。


「リーダー、止まってくれ。」

その状況を後ろから見てたレイさんが、ガイトさんにストップをかけた。

何だ?と振り返ったガイトさんも驚きフリーズ。


「サイズ変更可能らしい。」

冷静なレイさん。


「これなら可愛く見えるしリンといても違和感ねえな!すげえぞディア!」

驚きから復活したガイトさんは大喜び。とりあえず、問題解決?


驚いたけど可愛いしカルダさんも待ってるだろうし、そのまま門まで行くことに。

もう危険は無いからみんな配置関係なく歩く。


「その状態キープしてて体に負担とかないのか?」

〈特にないな。〉


そこからガイトさんの質問攻めが始まった。


結果分かったのは、ちょっと軽くなったくらいでほぼ何も変らないということ。

ただ、食べる量はそのままだって。不思議。


満足したガイトさんは今度、私を見て考えて

「リン、誰かに抱えられとけ。」

と一言。


「リンさんは私達が保護していると、分からせるためですよ。」

意味が分からなくて首をかしげてると、ナリアルさんが答えてくれた。くれたけど、やっぱり分からない。


「リンちゃん可愛いから心配なんだ。街の治安が悪いわけじゃないけど、念のためね。」


アルダさんに可愛いと言われ頭をなでられる。

髪の色が変わってるのは視界に入るから分かるけど、それ以外は分からない。子どもの姿に戻っただけなら、普通の女の子のはずなんだけど。


「自分の顔、知らないんだろ」

そう、レイさんの言う通り。そうなのです。


「そういうことですか。リンさんはとても可愛らしいお顔に、髪はゆるくウェーブのかかったホワイトベージュ。瞳はキレイな青色をしています。後で鏡を見ましょうね。」


可愛くて目が青って…どんな顔だ。


「そういうことだ。誰が良い?アルはギルドに行くから他3人だな。」

とっても楽しそうなガイトさんにちょっと悔しそうなアルダさん。


困ってレイさんを見上げる。


この中で1番背が高くて大きい。高いところからの視界が気になるなぁと、的外れなことを考える。


「レイか?まぁ安定しそうだな。」

「俺でいいのか?」

レイさんがいいです、とうんうん頷く。


「んじゃ決まりな。こっから抱えられとけ」

よろしくお願いします、と頭をぺこ。


フッと持ち上げられたと思ったら、左腕に座るように抱っこされた。緊張もちょっと和らぐ安心感。


基本放置だった子ども時代、抱えられて移動した経験はない。視線が高い!たのしい!とニコニコしてたらディアに笑われた。

〈高いよ!たのしい!〉

〈よかったな。私は少し離れるぞ。〉


そう言ってガイトさんの近くに行くディア。

契約してるって伝えてもらったけど、一応リーダーのガイトさんのそばにいたほうが良いってことらしい。


周りをキョロキョロして楽しんでたら門に着いた。

やっと街に到着です。



(その時リンは気づかなかったが、大人たちはニコニコしているリンの姿に癒やされていた。そして心配なほど無理をする少女が、年相応に子どもらしい反応を見せたことに安心もした。とっても優しい大人たちなのです。)

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