第16話 予定を決めていく

___ガイト視点___


全員でリンを見ながら話す。


「疲れた素振りがあれば休む予定だったのに、ここまで進んだからなあ。」


最初は3時間ほど歩いた場所にある広場で寝る予定だった。リンを見ても疲れた様子がなかったから、休憩をはさみつつさらに3時間歩いた。


「進んだのは失敗だったか。申し訳ねえな。」

自分の判断が間違えていたことを反省する。


〈失敗でもない。リンはたまに疲れた様子を見せて、すぐに遠足みたいだと楽しんでいた。体が弱く遠出した経験がないのかもしれん。それに、この人数で食べる食事が楽しいと言っていた。疲れても楽しさが勝ったんだろ。むしろ気付けなかった私の責任だ。〉


「ディアさんもリーダーも反省より今後ですよ」

ナリアルに諭される。


「今までどんな生活してきたんだろーな。」

心配してもしょーがないが、考えてしまう。


「回復とクリーンかけとくよ、明日も歩くし女の子だもんね。」

そう言ってリンに魔法をかけてくれるカル。


「よし。切り替えよう。こっから休憩はさみつつ、どれくらいかかると思う?」


「恐らく歩き7時間に休憩2時間で9時間ほど。ディアさんのおかげで魔物に襲われる心配が少ないので直線距離で帰れるかと。」

そんなだろうな、とナリアルに同意する。


〈ダメそうなら背中に乗せる。〉

ディアはそれでよし。


「昼休憩の時、リンちゃんに仕事をあげてほしい。薪拾いでも食料探しでもなんでもいいけど、何もしないと不安そうな顔をするんだ。1人で休むのが苦手みたい。」


テントを一緒にたてていたアルが言う。なるほど、だから軽い作業を頼んでたのか。


「なら鑑定の出番ですね。夕食のアジタケを採ってきたのもリンさんですし、一緒に探しますよ。」


確かにアジタケは美味しかった。似てるキノコが多くて鑑定持ちじゃないと見つけにくい。


「じゃあ昼飯と小休憩4回くらいか。あとはなるべく歩きやすいところ通って街まで直線移動。魔物が出たら基本は倒して無理なら走る。そん時はリンをディアの背中に乗せる。こんかもんか?」


「配置は今日と同じでいいか?」

レイは今日前だった。交代するか。


「俺とナルが先頭、カルとアルでリンたちカバー、レイが最後尾。」


了解、とレイが頷く。


「夜の見張りどーする?」

カルが眠そうに聞いてきた。お前も限界か。


〈気配ならわかる。全員寝ても問題ない。〉

ディアがいるなら大丈夫そうだけど、1つ確認。


「魔物はいいが、人間が来ても殺さないように気をつけてくれ。」


やり過ぎて殺しそうなディアに注意すると、面倒くさそうに頷いた。そうだよなー、手加減めんどいよなーでもやってくれ。


「リンさんをテントに入れましょう。」

ナリアルがリンを抱き、ディアが後ろをついて行く。


「ナルが父親になったな。」

レイの言葉に笑った。確かに父親だ。


「俺らも人のこと言えねーぞ。」

確かに、とつぶやくレイ。自覚ありだったか。


「じゃ、寝るぞーテント入れー」


火を消してテントに入っていく。

ナリアルも戻ってきて全員で眠りについた。

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