第3話【初見実況】BOG初めてやります!
※ライカ(オッサンの姿)が見ていたのは「噓葺ライカ」のいない原作ゲームです
今回の話で実況者(ポタクさん)が見てるのは「噓葺ライカ」が居てシナリオが変化した後の原作ゲームです
「皆さんどうもこんにちは。『感情的なポタクさん』です。今回はですね、スマホ用ゲーム、『
俺がカメラに呼びかけると、さっそくいくつかの反応があった。
・こんにちは!
・あのソシャゲ版鬱ゲーをやるのか……
・いや全然鬱ゲーじゃない! ちょっとだけ女の子が辛い目に遭うだけだから!
こうやって視聴者がついてきたのも最近のこと。地道に配信者活動を続けてきた結果だろう。
「あれ、なんかみんな反応が怖いんだけど……初見で楽しみながらやっていくから、ネタバレはナシでお願いします! オタクとオタクの約束だぞ!」
・オタク、約束守る
・ネタバレ、ポタクさんは泣きます
コメントに反応を返したりしながら、ゲームを起動する。
美麗なオープニング映像は、戦っている女の子たちの姿だ。様々な衣装で着飾った女の子たちが刀、斧、銃などを振って戦っている。
背景にあるのは倒壊した人家と、ひび割れたアスファルト。
「あ、この子可愛い! この真ん中で戦ってる子! 推せる!」
・あ、うん……
・草
・その道俺も通った
「なにその反応!?」
思ったことを率直に述べると、視聴者のみんなから意味深な反応が返ってくる。
なんだ……この子はいったいなんなんだ……!
《TIPS》BOGには近距離が得意なキャラ、遠距離攻撃が得意なキャラが存在します。また、攻撃には物理、魔法、爆発など属性が設定されています。
ソシャゲ経験者にはお馴染みのチュートリアルバトル。
大体の場合これをやれば最初の10連ガチャが引ける通過儀礼だ。
BOGのシステムはマス目で区切られたマップを自由に動くシミュレーションRPGと呼ばれるようなものだ。
某炎の紋章などで有名なスタンダードな形式で、それなりに戦術性が関与してくる。
おっかなびっくり操作を確認して、キャラクターを動かす。
「あっ、なんかこのライカちゃんって子すごい! 2マス先まで攻撃してくれる!」
・遠距離攻撃属性の子強いですよ。でも打たれ弱いから注意です
・ロリっ子ガンマンprpr
「でもこの子、めちゃくちゃ目が死んでない? 顔の良さ殺してない?」
・ライカのアイデンティティやぞ
白髪で小学生か中学生くらいのキャラは
すごい苗字だなあ、と思ったら、これは偽名のようなものらしい。纏姫はここで戦う時は苗字だけ自分でつけ直すのが通例らしい。視聴者さんがコメントでチラッと言ってただけなので詳しいことは知らない。
一番小さな彼女は、小さな手に拳銃を握って、次々と敵を倒していく。戦闘のたびに彼女のアップになり、綺麗な姿勢で拳銃を撃つライカちゃんの姿が映る。
どうやら彼女は遠距離キャラらしい。チュートリアルの指示通りに、彼女の前に庇うようにして剣のアイコンのキャラを出す。
「武士っ子! 武士っ子ですよ!
黒髪ポニーテールの女の子が日本刀を振るう。敵を斬った彼女は、カッコいい残心を決めていた。
「いいですねー、オタクに脈々と受け継がれてきた黒髪ポニテ剣道少女好きのDNAが騒ぎます。あのポニーテールでビンタされたいですね、皆さん」
・ええ……
・そんなDNAを受け継いだ覚えはないが
雑談しながら雑魚敵を倒していく。
他には魔法少女っぽい見た目をした希望ヶ丘ヒバリちゃんをちょっと使ってみた。
ステッキから光の弾を飛ばして攻撃するのだが、カメラに向かっていちいちウインクするのがとてもあざと可愛い。しかしこの戦場ど真ん中のどこにカメラがあるのだろうか……。
ちなみに僕の分身である主人公君(ポタク君と命名した)はチュートリアルではまだ出撃できないらしい。
雑魚を一通り倒すと、ボスらしき敵が出てきた。狼みたいな獣が、何か黒いオーラを纏っている。
「硬った! ヒバリちゃんの攻撃全然通らないんですけど!」
・属性的に相性悪いですね
・ハヅキの解放溜まってる
大きな狼に対して、武士っ子の必殺技みたいなものを叩き込む。『
攻撃やスキルによって溜まっていくFPというゲージを解放した最大攻撃だ。
必殺技の発動と同時に、短い演出が入る。
『我が剣、我が志、敵を打ち払わん!』
シャキッ、と鈍色の斬撃が走る演出と共に、ボスに大ダメージが入る。
「あれ、必殺技思ったより地味ですね。グラフィックの気合の入り方からしてもっと派手なの期待してましたけど」
・チュートリアルのハヅキちゃんRなので
・ポタクさんはそういうの結構ハッキリ言いますよね
・URとかだとカッコいいぞ
・ポニーテールが揺れてたので僕は満足です
「あー、ポニテ揺れるのいいですよね。やっぱビンタされたい」
・すいませんそれは分からないです……
・オタクにドン引きされるオタク
・分かる。清潔感のあるポニテにビンタされてシャンプーの匂いを感じたい
・何この配信怖い……
《TIPS》纏姫は同じキャラクターでもドレスが異なるとそれぞれ独自のスキルと幻想爆発を持っています。
「というわけでチュートリアル終わったのでガチャタイムですよ皆さん! うおおお、この瞬間が一番生を実感するぜ!」
・ガチャだああああああ!
・爆死!爆死!爆死!
・ポタクさんはリセマラとかしないタイプだっけ?
「リセマラ基本しないですねー。なんか最初に出てきた子って運命感じるじゃないですか。まあBOGはチュートリアルガチャUR一枚確定の良心的ゲームなので要らないでしょう」
・良心的、ゲーム……?
・私の給料はこのゲームに吸い込まれました
・水着イベ……うっ、頭が……
ソシャゲの闇深さを感じさせるコメント欄に少し同情する。俺も似たような経験をしたことがあるからだ。
「じゃあ、いきます!」
「10連ガチャ」というボタンを気合をと共にタップする。
すると、銀色の光と共に、キャラクターが登場し始めた。
R-[悪を斬る刀]帯刀ハヅキ
「貴様が間違いを犯さぬ限り、この刀を預けよう」
「お、さっきの武士っ子。制服も可愛いですね」
・Rのドレスはみんな制服です
・全然着崩していない制服……スカートまできっちり膝丈なのはちょっと残念でしたよ!
・こんなお堅い子が夏にはあんなあられもない姿に……
その後も演出と共にキャラクターが登場してボイスが流れる。
銀の光、つまりは最低レアばかりだったが、7回目でついに金色の光が出る。
「お! これSR? UR? なんでもいいから可愛い子でお願いします!」
SRー[限定展開]数ノ宮マナ
「武装、限定展開。エネルギーの装填を確認。ターゲットをロックオン。重心を固定。これより掃討シークエンスを実施する」
「メカ腕だ!なんかすっごいごっついのついてる! 砲塔みたいなのが載ってる! なにこれ、すごい男心くすぐられるんだけど!」
・何回見てもひとりだけ世界観違くて笑う
・ドレスは自分のイメージだから色々いてもおかしくない
・ライカの銃とは別方向に強いですよ
SRのカードが一枚出た後は最低レアが続き、本命である最後のUR確定が来る。
「虹色の光……さあ、誰だ? 誰が来る!?」
キラッ、と輝く光の中から、ひとりの女の子が姿を現した。
UR-[大噓つき]噓葺ライカ
「オレがいる限り、あいつらはひとりも死なせない。それこそがオレにできる唯一の償いだ。……なーんてウソウソ。そんな真剣な顔すんなよ。オレの言葉が嘘ばっかりだってこと、いい加減覚えてくれよな」
「チュートリアルのロリっ子ガンマンだ!」
・これは当たり
・遠距離キャラアタッカー貴重なので幸先良い
「へえ、なんかグラフィック凝ってますね。ていうかなんでパンツスーツ?」
・URライカの衣装です
・ストーリーちゃんと読めば意味が分かるぞ
「じゃあさっき引いたキャラとチュートリアルでもらったキャラで編成ですね。とりあえずURは入れるとして、あとは各属性をバランスよく入れればいいって感じかな?」
近距離攻撃属性の武士っ子、遠距離キャラのロリガンマン、魔法攻撃の中二病っ子。後は適当に埋めて5人のチームを埋める。
「そう言えばよくあるヒーラーみたいなのはないんですね」
・ヒーラーは主人公 毎回出撃
・お前がヒーラーになるんだよォ!
「え、男がヒーラーなんですか? 優しい巨乳シスターはどこ!? やだ! 癒してくれるのは女の子がいい! ママみ感じてバブバブする!」
・キモッ
・チャンネル登録解除しました
・俺が癒してあげるよ♡
「あれでしたっけ。主人公は世界の基準点だから女の子たちを元の状態で戻せる、とかでしたっけ。なんかその辺の設定もロード画面で読んだ気がしますが、とりあえずストーリーどんどん読んでいきましょうか!」
・急に真顔に戻らないで
・一章はちょうどロリガンマンのライカちゃんと武士っ子のハヅキがメインですよ
・ポタクさんがどんな反応するか楽しみ
俺がライカの喫煙ロリという衝撃のキャラ付けをされていることに気づいたのはまた別の話だ。
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