第2章 絵の神様
第41話 変人の料理
「
――ラノベ研究部の部員を集めることに成功した4月17日木曜日から4日が
太陽が
俺は、
小さな
――何か、変なことでも言っただろうか?
ただ、
まあ、何の
でも彼女は、俺の
辻さんは、口を開ける。
「過去にも、まったく同じ内容の言葉を、別の人に言われたことがあるよ」
「そうなのか?」
「うん。本当に、
そう言う彼女は、窓の向こうに広がる
「やっぱり辻さんは、昔からそう言われるだけの、
「異彩というか、なんというか、だね」
「うん?」
俺の方を向いた辻さんの
「どちらかといえば、
「それは……?」
どういう意味を込めた、言葉になるのだろう?
答えを求める
「あと私は、絵の神様に取り
――
窓から、
彼女は、
でも、何を言っていたのか、俺の耳にはまったく
◇
その日の学校が
俺は、自転車を手で
「私。この前、お
「言われたって、何をだ?」
「あなたを
「…………ものすごく
「
「
「小さい子供だって、みんな雨に濡れて帰るけどね」
「おい、高校二年生」
「自分がびしょ濡れにした服くらいは自分で
「おい、高校二年生」
「
「
いや、でもね――と彼女は言う。
「私、こう見えても料理は、結構得意なんだよ」
「へえ……」
何だか、
「
「バニラアイスチャーハンだね」
………………はい?
あれ、気のせいか?
俺の
「悪い、もう一回言ってくれ」
「バニラアイスチャーハン」
「…………」
おーけー、おーけー。
聞き間違いでなければ辻さんは今、バニラアイスチャーハンと口に出した。
バニラアイスチャーハン?
なんだそれ?
もしかしたら、名前が
うん。
きっと、そのはずだ。
じゃないと、バニラアイスチャーハンって……。
「それは、どういう料理なんだ?」
「
――文字通り!?
「――バニラアイスとチャーハンを組み合わせた、
――本当に、文字通りじゃないか。
「それ、
とても、うまく
「とても
「…………」
まあ、料理が得意だと
彼女の
そんなことを思っていたら、辻さん
「ちなみに、私のお母さんの口には、バニラアイスチャーハンは少し合わなかったみたい」
「まあ、うん。……ですよね」
「お母さん。バニチャー食べた次の日に、仕事休んでたよ」
「絶対
てか、少し口に合わないどころじゃない。
「板橋くんも、食べてみる? バニチャー」
「食べたくないな……!」
「すごい
「たぶん、その料理を
「板橋くんは、少数派な気がするんだよ」
「
「毒物とは
「予定じゃないか。絶対、三つ星シェフは認めないぞ」
「
「ゲテモノに変わるなら、逆に
「
「もう、
と、彼女のお母さんが普段感じているであろう
「あ、板橋くん」
「うん?」
辻さんが、俺にこう言った。
「ちょっと、絵が描きたくなった。付き合ってもらっても
「……ああ、別に
普段は変わった性格で
むしろ、
……料理には、絶対に付き合いたくないが。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます