陰キャの俺の母親がVTuberになったら、そのキャラデザをしたクラスメイトの美少女絵師のが俺を「孫」扱いして、毎日手作りお菓子やお小遣いをくれるようになってしまった…

 クラスでも目立たない陰キャ高校生の七尾 光は、ある日の放課後、学年一の美少女である侭野 真麻から教室に呼び出される。

 話したこともない相手からの呼び出しに驚く光だが、彼女の言葉に衝撃を受けた。


「七尾君のお母さんって、VTuberの江洲ほるんちゃんじゃない?」


 光の秘密、それは彼の母がVTuberの中の人であること。

 元舞台女優の母がパート代わりに始めたVTuber活動だが、意外にも個人勢としては稀有な人気を博してしまったのだ。


 クラスの中心人物に秘密を知られ、脅迫を警戒した光だったが、話は意外な展開を見せる。

 実は真麻は江洲ほるんのキャラクターデザインを担当した絵師、星粉 ウェルナだというのである。

 当時無名だった彼女が世に出る切っ掛けとなった江洲ほるん、その中の人である光の母とはプライベートでも連絡を取るようになり、会話の中で同じ学校に息子がいることに気付き──遂に特定に至った。


 VTuberのデザインを担当した絵師を俗に「ママ」、動作制御関連の設計を行うモデラーを「パパ」と呼ぶ。


「ほるんちゃんのママな私は、ほるんちゃんの息子な君から見ると、お母さんのママだよね?」


 かくして、光を孫と認識した真麻は、その翌日から彼を祖母として甘やかすようになった。

 困惑するクラスメイト達、派生する人間関係。

 そんな中、光が江洲ほるんのモデリングを行った「パパ」であることが真麻に知られ、家系図は更に複雑化してゆく。

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