VRで馬鹿が作った格闘技やってます。試合中に普通に死んじゃいますけど、VRだから平気です!

 ひょんなことから手に入れたVRデバイス本体とソフトで、話題の新作VRMO格闘ゲーム『ザ・超スーパーウルトラハイパーミラクルスペシャルファンタスティックワンダフルエクストリームコンバット2055』を始めた女子高校生、具 花梨。

 花梨は戦国時代に端緒をなす古武術・具流の末裔であったが、道場は門下生不足により倒産の危機。

 有名な格闘ゲームで名を売れば、世界中から門下生が集まるかもしれない、彼女はそう考えた。

 しかし、そのゲームは有名は有名でも、クソゲーとして有名だったのだ。


 現実そのままの肉体と技術のみで戦う格闘ゲーム。

 そのコンセプトは、非現実的な世界に没入できなかったプレイヤー、ゲーム視聴者には目新しく映ったが。

 格闘技マニアを自称する大手IT企業の社長が子会社のゲーム製作会社に作らせたそのゲームには、彼が考え、現実世界で大会を開こうとし、あまりの危険性から実現しなかった曰く付きの格闘技達が収録されていた。


 四方をロープに囲まれ、床と天井がトランポリンになった特設リングにて徒手で戦う、“トランポリン・デスマッチ”。

 高速で擦れ違う馬上から殴り合う、“ジョスティング・ボクシング”。

 地上400メートルの高度から落下しつつ一本取って、落下までにパラシュートを開く、“スカイダイビング空手”。

 総勢200人の力士が密集した巨大土俵でぶつかり合う、“バトルロイヤル相撲”。


 あらゆるルールに対応可能な具流の技を引っ提げ、花梨は世界中の強敵に立ち向かって行く。

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