魚人・追放・卵焼き 〜生臭いからと街から追放されたギルマンは海底遺跡で拾った〈万物卵焼き化光線銃〉で無自覚に世界を掻き回します!〜

 半人半魚の種族ギルマンの青年、サバノ・カンローニ。

 《高山都市サニーサイド》で暮らしていた彼はある日、領主の息子と口論になり、「生臭い」という謂れのない理由で街を追放されてしまう。


 仕方なくサバノは川を下って海へ流れ着き、そのまま海底の古代遺跡を発見。

 何らかの量販店らしき建物を探索していると、〈万物卵焼き化光線銃〉というアーティファクトを、箱と説明書付きで拾得する。

 それは水中で火が使えず、卵焼きが作れないことに悩んだ古代魚人文明の科学者に開発された、古代の調理器具だった。


 卵焼きが大好物なサバノは早速〈万物卵焼き化光線銃〉を試し撃ちしたが、海中ではすぐに卵焼きは冷めてしまうし、塩水で味も変わってしまう。

 より良い卵焼き体験のため地上に戻った彼は、目に付くものを手当たり次第に卵焼きに変換し始めた。


 しばらくして人類社会には、岩も木々も魔物も人も建物も山も川も、通った後の何もかもを卵焼きに変換して回る危険な魚人の噂が流れ始める。

 その名はサバノ・カンローニ。現住所は、《高山都市サニーサイド》。

 彼が住民票を移していなかったせいで、「他領に対して自領民の起こした被害の保障」をする羽目になった《山間都市サニーサイド》の領主は、自身の息子にサバノの討伐を命じることとなる。

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