ポストアポカリプス時代への転生を願ったら、郵政民営化時代に逆行転生した件

 神様の不注意で命を落として転生した青年、田所 鳩吉。

 人類滅亡の危機に備えて戦闘力やサバイバル知識を高めていた彼は、今の肉体と記憶を持ったままで「ポストアポカリプス」の未来への転生を希望した。が、神様の勘違いにより「ポスト」が「アポカリプス」を迎えた時代――郵政民営化直後の平成時代に逆行転生してしまう。

 そこは年賀状を配達員がまとめて竹藪に捨てるような悪徳が蔓延る、平成最悪の時代だった。


 負債を誰かに押し付け、リストラの推奨や社会保障の抑制など、地方や弱者を何の保障もなく切り捨てることで、一時的に見掛けの財政を上向かせたように見せる暴政。

 しかし、政府はメディアを利用した洗脳により大衆の支持率を集め、後先を考えない非道の限りを尽くしていた。


 そんな時代で、鳩吉は生活のため、ネットカフェに寝泊まりしながら派遣バイトで薄給で酷使されることになる。

 労災で次々に仲間達が倒れていく中、派遣先の正社員は悪意ある雇用主の言葉を信じ、派遣会社による中抜きを理解せず、自分達の給料より高い派遣費で雇われている派遣バイトへの憎悪を募らせるばかり。

 労働者間に発生した深刻な分断は、やがて若年層を中心に労働への根源的な嫌悪を植え付けていった。


 そんな中、コンビニで見掛けた競馬新聞に、スマホアプリで聞いたことのあるような馬の名前を見つけた鳩吉は、派遣バイトをぶっちぎって馬券師系YouTuberとして生きていくことを決意する。


※本作はフィクションであり、実在の人物、地名、団体、時代、政権、スマホアプリなどとは一切関係ありません。

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