第3話 君の気持ち
紬は拓也に言われた通りに教室に残っていた。
拓也イメチェンして更にかっこよくなってたな。
空が紬の心を表すかのように赤く染まっている。
「おまたせ。……紬。話があるんだけど、いいか?」
「うん」
今朝の夢が、由依の言葉が脳裏に浮かんでくる。
やめて、聞きたくない。
「好きだ」
「えっ?」
「紬が好きだ」
「彼女ができたんじゃなかったの?」
何が起こってるの?
「どうしてそうなったんだ?」
夢で見たなんて言えない。
「急にイメチェンするから……」
「あぁ、これは紬の隣を自信を持って歩きたかったから。ただの自己満足だよ」
「そうなんだ」
「話を戻すけど、紬のことが好きです。ただの幼馴染はもう嫌なんだ。俺と付き合ってくれませんか?」
あぁ、拓也も私と同じだったんだ。嬉しい。
そう思った途端、涙が溢れてきた。
「うん。うん」
涙で声が出ず、紬は必死に頷いた。
すると、何か温かいものに包まれたような感覚がした。
「え?」
「紬、好きだ」
「私も。私も拓也が好き」
そう言って紬は拓也の背中に手を回した。
しばらくして、
「……帰ろっか」
「うん」
2人は帰り始めた。
「紬。明後日の日曜日、デートしませんか?」
「する!」
紬は満面の笑みで頷いた。
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