第4話 赤と

 空が真っ赤だなんだか怖い。

いつにも増して血のような赤さだ。


でも、探さなきゃ、姉ちゃんを。

怖いようでつらいようで楽しい。

おかしくなっちゃったのかな。


遠い道路を裸足で駆けていた。

靴を履かなかった事に今気付いた。

今は何時だろうか?4時くらいだろうか。




やっぱり怖いなにか怖い。

うしろ…うしろ?


でも走らなきゃ!探さなきゃ!

とりあえず、走らなきゃ。

太陽が、沈んでく。はやい。

夏だから、なつしだから??

あれあの漢字なんて読むんだっけ、げしか?


やっぱり太陽が沈むのがはやい

凄く早い気がする。こわい。とてもこわい。

うしろ。なにか。

いやなんでも無いぜったいなにもない。なにも追い掛けては来ない。

もしかしてあいつか?父親…か?

わ、わかんないわかんない。


 走っても走っても同じ景色な気がする。

人もだれひとり合わない。おかしいかも。

でも、蝉の声だけはどんどん近付いて行ってる気が、する。




後ろはみない。見なかった。

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