第18話

「早苗、本当に出産って大丈夫なんだろうか?」亮平は手を自分の腹に当ててそっと言った。「お腹が張る度に、いよいよと思ってしまうんだ。」


早苗は微笑んで頷いた。「それは出産への不安よね、私もそうだったわ。でも亮平、私たちの子供の命を生み出すというのは、その全ての不安を上回る喜びだと思うんだ。」


「でも、出産って痛いんだろう?君は痛みを経験しなくてよかったよね?」と亮平はつぶやいた。


早苗は手を差し伸べて、亮平の手を握った。「それはそうかもしれないわね。でも、それは一方で、私はマタニティーの全経験を得られなかったとも言えるの。それが少し寂しい気もするんだよね。だから、亮平が全てを経験できて、私はそれを羨ましく思うの。」


亮平は驚いて早苗を見た。「そうなの?でも、僕は怖いんだよ、早苗。」


早苗は亮平の頬に手を当てて言った。「それは当然よ。でも、私たちは亮平が経験する全てのことを共有しているのよ。だから、何も心配しないで。」

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