2023全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 富士大会第12戦
メイン・イベントが終わり、「浅い」ファンの皆様はお帰りになられる中、私はもうひと踏ん張りです。そう、ここから今日の個人的メイン・イベント、SFL第12戦です。
開始に備えてメインスタンドの後ろの方から、先頭スタート・ライン付近に移動。ここからだと雲の様子もよく見えます。ちょっと暗い色で、山間ということもあって低く垂れこめているものの、お天気は何とか本日の全イベント終了まで保ちそうな感じ。
ポール・ポジション(首位)からスタートするのは、No.37エンツォ・トゥルーリ選手(以下エンツォ)。…紛らわしい名前ですな(※エンツォ・フェラーリ:自動車メーカー/フォーミュラ1チーム「フェラーリ」の創設者)。No.からするとトヨタ育成のエリートかな?
と場内放送で案内されたのが、元フォーミュラ1ドライバーの「ヤルノ・トゥルーリ」氏の息子だそうで。…と言っても、お父さんの知名度はあんまり高くないですね。二世ドライバー、21世紀に入ってだいぶ増えました。
個人的推しのイゴール・大村・フラガ選手(以下フラガ)は9番手からのスタート。全12台でこの位置はちょっとどころではなくツラい。白無地に「FANATEC(※ゲーミングデバイスの会社)」のロゴのみのカラーリングが、資金面、体制面での苦しさを物語ります。頼むぜフラガ、今日俺はお前を観に来たんだ。
ここでざっとSFLの大会概要を説明しますと、1大会土日の二日間で3回の決勝レースが開催されます。しかしその間、予選も含めて使えるタイヤは2セット8本のみ。つまりどこかで「一度使ったタイヤ」をまた使わなければなりません。このへんの駆け引きもレースのうちなのです。
SFLエンジンスタートしまして…さすがにSFよりは低いですが、腹に響くなかなかに迫力ある音ですな。排気量2リッターの…SFと差別化するなら、たぶんターボもなにも付いていないと思うんですが。マフラーは付いてたんでしたっけ?
そして
フラガはスタートで一つ上げて8位。順位のわりに場内放送の注目度も高い印象を受けるのは、やはり「グランツーリスモとの二刀流」が目立つせいでしょうか。
ここから「レコードラインを走れば勝てるってわけじゃない、
フラガ4周目に3台横並びの混戦に巻き込まれるものの、なんとかしのいで順位キープ。
しかしこのSFL、出走12台のうち後ろ2台は「マスター・クラス」と言って、明らかに戦闘力の落ちるマシンを使う、「半分趣味」で走ってるドライバーなので、実質後ろから3番目はほめられた位置ではありません。
少し脱線してこのマスター・クラス、かつての「全日本フォーミュラ3」時代には「ナショナル・クラス」と呼ばれていて、上を目指したいんだけどぶっちゃけカネもコネもない、そういうドライバーも走っていました。そしてそこから「チャンピオン・クラス(ガチのクラス)」に「見出される」チャンスもありました。今はそのへんの事情どうなのかな。
全15周のうち7~8周完了。ひとまずレースも落ち着き各車の感覚も開きます。エンツォ安泰、フラガ8番手。さてこのまま行くか。
と思っていたら11周目。フラガと9番手の野中選手との差が詰まり始めます。ちと苦しい展開。
12周目、13周目。まだすぐどうにかなる感覚ではない。なんとかこのまま。
しかし14周目。ついに野中選手、ストレートの終わりでフラガに追いつき、TGR(第一)コーナーで外から仕掛けます。フラガこれをなんとか防御。
そして最終15周目。野中選手TGR(第一)コーナーで今度は内側に潜りこみ一度はフラガをパス。しかしフラガ、たくみに走行ラインを交差させて立ち上がりで野中選手を再度かわします。
こうなってはこの後富士で順位変動のチャンスはなし。エンツォ完勝、フラガ8位キープでフィニッシュとなりました。
え? SFLの挙動? ストレートしか観てないから分かんない(爆)。とりあえず場内ビジョンを見た限りでは、コーナー進入で無理しても、あとあと帳尻が合わなくなってコーナー立ち上がりがツラそうな感じ、くらいですかね。
それとストレートはもたつきなく吹け上がっていました。以前の「全日本フォーミュラ3」の頃には、ストレートでエンジン頭打ちになってた記憶があるのですが。
直に目で見たフラガ選手の印象を、忖度なく述べると…うーん体制面、政治力もあって、ここらへんが限界かな、という印象でした。シーズン前にSFのテスト走行した時も「リアル怖い」とか言ってましたしね。実際、トップから1秒落ちのタイムに留まっていましたし。あとはハコ(スーパーGT)でどれだけの結果を残せるかですねえ。
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