第129話益州攻略 その4
劉璋一味を捕縛したが、益州の動乱は収まらない。
そこで劉操は策を使った。
「父、劉玄徳が大軍を率いて、益州を粉々にするようやってくると吹聴するのだ!軍神・関羽、龍の子・趙雲が益州を正すように、あの新末期に呉漢がやったような凄惨な状況がまた劉玄徳によって繰り返されるであろう、と」
「そ、それは殿の名に傷が付くのでは……」
「ダイジョーブだ、こうも布告するのだ!今なら劉玄徳の息子・劉嗣徳が父を抑え込み、なんとか益州の民を助けようと奮迅に働きかけている、と」
「そ、それは……」
「フゥーハハハ!父の声名は下がるかもしれぬ。しかし、この劉操の声名で少なくとも益州の民より我々になびくはずだ!」
今までステルスだった分を取り戻すかのように、劉操は
「さあ、噂を流させよ!劉玄徳は劉璋を歯牙にかけ、己の野望の捨て駒にしようとしている、と。しかしその嫡子・劉嗣徳は益州の民を助けるためならなんでもやろうとしている。今こそ我らは劉嗣徳を支持すべきである、と」
「玄徳さまがどう思うか……」
「ん?私は今まで散々捨てられてきたのだ。これくらいどうってことはない」
「しかし儒教では……」
「私は儒教など信じておらぬからな!」
劉操は断言した。
「さあ行けっ!」
劉操は命令を開始した。
結果として、張任・厳顔・冷苞・劉璝・鄧賢・呉懿・張裕・李恢・許靖などが劉操に応じることとなった。
そして馬超である。
彼は李恢の説得に応じて、馬岱・龐徳を引き連れて劉操に帰順した。
綺羅星のごとく、この時代のスターたちが劉操のもとへとはせ参じることとなっていった。
「フゥーハハハ!なんとこの嗣徳は果報者か。慎まねばならん、慎まねばならん……いや慎んでいる場合ではないぞ!」
劉操は、この段階が蜀の一種のピークであることを知っている者である。
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