第3話我が父、劉備
「操、そなたは無事であったか」
「父上、あなたは父上なのですか」
「気でも狂ったか、父の顔を見忘れるほどひどい目に合ったか」
そういう父は軍装姿で駆け付けたと見え……軍装なのかこれ。
周りの者と着用しているモノの色が違いすぎる。奇抜すぎる色だ。
これでは敵に狙ってくれといわんばかりで目立つだろう。
後年、龐統が劉備の馬に乗って劉備と勘違いして討たれるがよっぽどな馬だったんだろうな。
「いきなりだが、そなたの母は死んだぞ」
さようなら母上。
ドラマのナレ死とよばれるものでも、もっとちゃんと扱ってくれるだろうに。
3日間だけどあなたの温かいぬくもりは忘れません。
「そなたの母には辛酸を舐めるような苦労をかけてばかりだった。いよいよこれから良い思いをさせてやれると思った矢先にそれだ」
さすがに思うところがあるのだと思っていると、
「だが死んでしまったものはもう生き返らないのが世の常、こればかりは仕方ない。そこで糜竺が『妹に
新しい母ってそんな簡単にできるものなのか!?
3日間の関係しかなかったけれども俺の母上が不憫でならない。
劉備が、というよりこの時代の人々は多くが現代ではサイコパスと呼ばれるものなのかもしれない。
史実の劉備は、親戚が出資してくれたにも関わらず学問が嫌いで、乗馬・闘犬・音楽・見栄えがある服装を好んだ、とちゃんと書いてある。
それはスポーツ・賭け事・ミュージック・ファッションが好きなマイルドなヤンキーさんってところなのだろうか。うーん、史書は正しい!
しかしこうやって向かい合ってみると現代では大っぴらに交際することがはばかれる『道を極めた』そっち系の人のような気がする。
限りなくオブラートに包んだ言い方をすると、ドラマでは主演しか張れず脇役にいるとかえって違和感を感じるくせに黒い交際の疑惑が絶えない俳優で、何人にも腹違いの子供を産ませた上に養育費はまったく払わないような人というのが直感での第一印象だ。
とても簡略にいうと合法と違法の間の白線の上をウロウロしている真っグレーな人だ。
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