*魔法と科学と化学

 

 リアム達の暮らす世界では魔法があります。異世界ファンタジーらしさでもありますね。…今のところ、裏庭のドアとわたあめ、魔法誓約書しか使われていないのですが…。


 そうなんです。皆さん、お気付きですか。風の魔法使いは話には登場しましたが、その魔法使いが使った魔法で出来たものはわたあめです。ピンクの可愛い猫型のわたあめをリアムが恵真に買ってきました。「SS リアムと屋台」こちらで描かれている可愛いわたあめです。

 他に魔法はないの?…もちろん、あります。ですが、それが今後出てくるかは不明です。

 

 魔法使いといっても、その力はそれぞれ違います。

 クロの深い緑の瞳に、皆が驚いたように緑の瞳を持ったものは魔力を持っています。でも、その力は瞳の濃淡で決まってしまうんです。

 ですから、魔力を持っていても力の弱い魔法使いもいます。なので、その理屈からいうとクロは強い魔力を持つ魔獣となりますね。リアム達が「クロ様」と敬称付けで呼ぶのも敬意を払っての事です。

 

 恵真の姿もそうですが、クロの姿もまた喫茶エニシに来たお客様を驚かせるものです。ですが、クロの美しい毛並み、深い緑の瞳、そしてこちらを気にもしないその態度は彼らの目には崇高で気高く映っているのではと思います。


 さて、魔法は一部の人にしか使えませんが、魔道具として高価ではありますが普及しています。今の我々には出来ない事も可能なのだと思います。そう聞くと魔法は便利に感じますよね。

 でも、魔法や魔獣などさまざまな不思議がある世界の弊害もあると推察されます。


 それが科学と化学の進歩です。

 不思議や謎を見つけた時に、我々人類が解き明かそうとして発達したのが科学と化学ではないかと思います。自然にもある不思議、感じた疑問、そこを知りたい、そう思うことが発展に繋がってきた。…なんて理系の知識の少ない私がいうのもおかしいのですが。


 一方で魔法や魔獣、不思議なものを不思議なものとしてそのまま受け入れる。そんな形で発展してきたのがリアム達の世界です。魔法は便利ですから、我々が出来ない事も可能にしてくれます。

 ですが、それゆえにそれ以上に追及しない。知識や経験を通して解明しなくとも魔法という方法が解決してしまうのではないかと推察されます。


 どちらがいい、悪いではなく、そういう世界にそれぞれ暮らしている。ただそれだけのことです。どういう発展がいいか、それはそこに住む人が決める事なので何とも言えません。

 

 でも、そこでもうひとつ影響を受けるものがある。それが料理です。

料理には理由があるんです。そこには科学や化学とも関係があることもあるのですが、料理の知識として身についているので、あまり意識はしませんよね。

 たとえば、恵真が作ったジャム、使う果物によってはペクチンが足りず、固まらなかったりします。ホットケーキを膨らませるために使うベーキングパウダーだったり、メレンゲを安定させるために加えるレモン汁だったり…実はそこにはちゃんと理由がある。


 「雑学レベルの知識・感覚」が広まったらいいと恵真は感じているようです。それもまた時代によって変わるのですが…。

 食事や健康も時代によって違う形があるので、今の常識も時代が変われば変わっていくのかもしれません。

 

 

 


 

 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る