第9話


りょうのところまで会いに行ったことで、

私が謝ったことで、

一旦はトラブルが解決したんだと思ってた。





前みたいに楽しいラインのやりとりができるようになったから、これで良かったんだって思ってた。









でもね、

違ったみたい。









りょうが言ってた。





「ひなちゃんが連絡してくれなかったから、

もう年内の予定全部入ってるから。

土日とか年末は会うのは無理かな。」





「平日の仕事終わりとかなら、

無理すれば会えなくもないけど」












私は別に良かった。






いろいろな言葉を聞いたから、

少し距離を置いたら傷が癒えるかなって思ってた。

だから、年内会えなくても大丈夫って思ってた。










数日後の夜、りょうから電話がかかってきた。









仕事が終わったから、

次の予定までの時間会えるとけど、どうする?


という内容の電話だった。






先日、

「無理すれば会えなくもない」

と聞いていたから、

無理はしてほしくないって思った。




だから、

「どちらでも大丈夫だよ」

と答えた。









きっと、りょうは

「会いたい!嬉しい!」

って言ってほしかったんだと思う。








私が間違った回答をしちゃったんだ。









電話越しの口調が変わった。






















ほんと女子力ないな。



頭おかしすぎる。



人として終わってる。



よくそれで教員できるな。



まさか、子どもを虐待とかしてないよな。



絶対お前みたいなやつには自分の子ども預けない。



まじ終わってる。
















会う会わないとは全く関係のないことを続けて、

否定してくる。

攻撃される。





電話が切れたあとで

ラインが届く。

















まじで、もういいわ、お前。



もう、まじでいい。



また来年、気が向いたら連絡するわ。



ほんとお前変わってるわ。























怖いので、

連絡は来ないでほしいと思った。







自分の全てを否定され、

仕事も、家族も、否定され、

辛くて悲しくて涙が止まらなかった。








食事がとれなくなてしまった。







何か食べようとするんだけど、

食べようとしてみるんだけど…






何か食べようと口に運んでも吐いてしまう。







一人でいたらつぶれてしまうと思い、

友人と連絡を図った。









大学時代の友人が家に来てくれた。




人格否定されてきた内容を全て否定して、

私を認めてくれることをたくさん言ってくれた。






自分はダメな人間ではないのだと思えた。









りょうから離れるために、

電話もラインも反応しないことにした。


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