第4話


お互いに仕事は土日休み。

金曜日の夜からどちらかの家に泊まりに行き、月曜日の朝(出勤の時間)まで一緒にいるのが当たり前になっていた。



付き合い始めた時期と、りょうの誕生日がたまたま近かったので、私の家で誕生日祝いをすることにした。


何か美味しいものを食べに行くとか、

ちょっと豪華な物を買ってきて家で食べるとかがいいかな…

と思っていたけれど



「手料理が食べたいな」

「ひなちゃんが作ってくれるってことが嬉しいから」



というリクエストで、手料理でお祝いすることにした。


特別料理が得意というわけではなかったけど、料理教室に通っていた経験もあるし、料理をすること自体は好きだったから、こったものではなかったけど作ることにした。



「美味しい!美味しい!」



ってたくさん食べてくれた。

おかわりもたくさんしてくれた。



ケーキも一緒に食べて、アットホームな感じのお祝いだった。




こんなチープな感じていいの?

って思ったけど、こういうのがいい!って思ってくれたみたい。



この日も家に泊まって、のんびりテレビを見たり、まったり話をしたり。



そしたら、仕事の長期休みのスケジュールとか勤務時間、休憩時間、通勤に使うバスの時間…ほかにも細かく紙に書き出してくれた。


年収も教えてくれた。



私はまだ彼に伝えてないことたくさんあるのに

彼は自分の話を次から次へと私に教えてくれる…



「りょうくんは、自分のことたくさん教えてくれるね」




「この先のこと、結婚とかも考えてるからこういうことも伝えるんだよ」


とのことだった。



結婚か…


まだ付き合って1か月も経っていないのに。



想ってくれるのは嬉しかった。

ちゃんと考えてくれるのは嬉しかった。


だけど、私の気持ちが追い付かないと感じることもあった。




でも、りょうは優しい。

私のことを大切にしてくれる。

いろんなことに気づいて、行動してくれる。

嬉しいことを、言葉にしてたくさん言ってくれる。


素敵なところがたくさんある人だから、一緒にいたいという気持ちは私も強かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る