優しい彼氏は、モラ男くん。

第3話

記念日

　りょうと会うのは、これで３回目。

私の希望で、水族館に行くことにした。

「一緒に行きたいところ、いっぱいあるんだ！」

という話をしたら、

「ひなちゃんが行きたいところに行こう！」

と言ってくれた。

今日は、ずっと手を繋いで水族館を回った。

好きな人と好きな場所に行けることが、

幸せだと感じた。

隣接している遊園地に行って、

大道芸を見たり観覧車に乗ったりした。

観覧車でふたりきり。

（会うの３回目か…）

（観覧車で夜景を見ながら…）

（頂上にいったタイミングで何か

期待していいかな…）

と、告白するならこのタイミングなのかな？とドキドキしていた。

期待に答えてくれた。

観覧車でキスをして

「これからも一緒にいたいな。

付き合おう。」

「うん」

今日が記念日。

これからたくさん思い出作ろうね。

たくさんお出かけしようね。

たくさん写真撮ろうね。

この瞬間は、本当に幸せだった。

本当に大好きだった。

苦しくて苦しくて、

涙がとならなくなる日が来るなんて思ってなかった。