第8話CANDY MOON
ジンが出てから、
店内の全ての者たちは時間が止まったように眠っていた。
中に入ったものなら空気一滴も漏らさないつもりなのか?ジッパーロックの中みたいだ!
この静かな中で目を光らせている物があった、白雪姫でマレフィセントの鏡だったキルア…
白雪姫の継母マレフィセントの鏡をマリンが改造した。
24時間この世界の何処でもアンテナを張っているキルアは、
現代のAIと使い道は変わらない。
お客さんが来ない、ジンとの退屈な生活にうんざりしているキルアはマリン様が起きる日だけ待ち望んでいた、いつでも北海のチームからの知らせを受け取れるように気を張っているのだ。
この店の入口から廊下を曲がったら直ぐには、
くるみの木で作られた、J字型の8人は座れる長さのバーカウンターがあるが…
水牛革を背もたれから足元までふんだんに使って作られた大きめの椅子三脚だけが置かれてるだけだ。
長いカウンターテーブルが終わり、壁が一段窪んでるところには2階に上がれる階段が見える、
マリンが世界中古童話堂を任される前、不思議な国のアリスでお馴染みのチェシャ猫とある日賭けチェスをして勝ち本当に尻尾をもらった。
ふわふわっとした毛玉みたいなこの階段は、もしも世の中に軽自動車くらいの大きい紫色の猫がいるとしたら、その猫の長い尻尾を無理やりくねくね曲げて形を整えて作ったような形をしていた。
裸足で踏んだら気持ち良さそうな柔らかい毛並みを追って上がって見よう。
1階が全体的に木で出来てるとしたら2階は入口から雰囲気が変わり…
ドアはなく石で出来たやや低めのアーチの入口が見えた。
2階は1階より広いスペースが広がり、石のフロアーの半分はカーペットが轢かれてあった。
向かい側の壁には成人がそのまま飛び降れそうな大きいアーチ形の窓がひとつ見える、
部屋の窓から見える景色も時空間の反映を止めて、
あの日の夜まま。月の薄青い光が真っ下に置かれてる大きいベッドをいつものように照らしていた。
白いシーツの上に水色のバスローブを着たまま目を閉じ眠っている金髪の人が我々のマリン様だ…
偉大なマーリンの孫娘であり、おじいちゃんとの話し合いでこの店をもらってからはマスカ達により嫌われることになったマリンは、
長く寝たきりのせいか生気が溢れてた顔色は病室で息を引き取った患者にしか見えない。
ベッドの隣のサイドテーブルには使用済みのアイテム[眠る森の姫の紡錘針]が置いてあった…普通の人間から見ると採血用穿刺器具にしか見えない、もしくはペンとかにみえた。
✳︎ 眠る森の姫の紡錘針
この針を刺したら一瞬で誰でも冬眠に落ちる、条件と期限を細かく設定できるので人気アイテム ✳︎
マリンは青い満月の日、ぺんみたいな針を手に取り、ジンに近づいて妙に浮かれた声で早口になった、
「ジン、 私の長年の望みは?」と聞きいた。ジンは
「それは... マリン様· · · もし訳ないですが不可能です。 今まで散々試してみたじゃないですか?」
「いや!ジン、わかってないね…私は寝るから…」と言うから
「ジンは本気なんですか?」と聞いた。マリンは、ペンみたいな針をジンの目の前でカチカチして喋り続けた。
「私の願いを叶えてくれる第一歩は、この針を押してからスタート。」
ジンは、こわっ!と思い、針をチカチカしてるマリンの手をなるべく丁寧に押さえだ。
「マリン様、もう、いい加減に不老不死の命で生まれたことを受け入れて···」マリンは聞かずに今回は針をジンの口に当て、
「しーっ!
ジン、今回こそ上手くいくから。」 それから眠り込んでいるマリンはこのプランの肝心なところはなにも教えてくれないままだ…。
その時、
下の鏡キルアが大きい警報音を鳴り出した!
キルアは音だけでは満足できないのか?自分の前面を赤い光で光らせた。1階は金曜日のクラブみたいになり、その騒ぎは寝ていたマリンの
ところに届いた…。
音が流れ込む2階、窓からは相変わらず月が見えた。
大きな円形は、
青い色の飴みたい…私が親なら子どもには絶対あげたくない…ベロを青くするCANDY。
青い満月は、ベッドからパッと起き上がって
ブロンドヘアーを揺らしながら裸足で部屋から出て行くマリンを観ていた…。
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