第4話魔法の絨毯
冬でも中々マイナスに落ちないロンドンの気温は、走るようでギリ走ってないジンの背中にあせをかかせた…
でも、この汗は主人が眠る前に命令した絨毯の返却日が今日だったことを忘れかけた焦りから出た冷や汗だろう。
もう10年ぐらい前なのかー⁈
いつも笑顔で陽気なフランス系シャルル夫婦はマスカとしては珍しく、
名誉を追うことを最高美徳だとは思わなかった…
その夫婦の長男は1歳が過ぎてもよく眠れず、マダム・シャルルは日に日に疲れ果て、可愛いえくぼが見えなくなっていた、、
本来なら(安全性の為)2歳から貸してあげる魔法の絨毯だが、ご主人様はマダムの顔を失礼なぐらい間近で見ながら
「ひどいよーこれは酷い!
ジン、今でもすぐ貸してあげようね☺️」と
おしゃったのでマダムの顔はより暗くなってた… (私は恥ずかしかった)。
その日から夫婦が赤ちゃんを絨毯に寝かせるとそよそよとした花びらのように優しく舞い上がった絨毯は、子供を寝かせるのが自分の最適な使い道っていうことを証明するかのように左右に優しく揺れ出した、泣いてた赤ちゃんは1分も経たないうちにすやすや息をして深い眠りに落ち…夫婦は久しぶりに朝までぐっすり寝れたのだ。
その楽ちんさからか?
シャルル家の家族計画に変化が…次々と赤ちゃんを産んで三兄弟の母親になったマダム・シャルルは末っ子の3歳の誕生日の日までにと契約書を書き直した。
その返却日が今日だなんて…。
ジンは足を止めてしばらく空を見上げた…
のどかだった空に雲が垂れ込めだした。
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