第33話

新しい家より落ち着く、妹とよく来た公園。


そして公園のベンチで座って居ると、兄妹が砂場で楽しそうにして居る。


昔も俺たち砂場であーやって遊んだ。


もう願っても帰ってこない過去。


「お兄ちゃん!!見てトンネル」


【お兄ちゃん、手が抜けなくなちゃった】





「お兄ちゃん、バケツ持って来たよ」


【お兄ちゃん水、流そうとしたらこぼしちゃって】



「イタっ、」


女の子が転んだ


「あっ」


「大丈夫か!!」

お兄ちゃんの方がすぐに妹にかけるよる。


「大丈夫だよ。」


「そんなことない!!あー、家も近いし一回家帰ろ」


「えー、」


「いいから、ほら」


「うん」


そう言って、兄は妹を背負って居る。



あー、


【お兄ちゃん、ありがとうね。今日背負ってくれて】


昔、いつも疲れた妹を背負って帰ってた。


時間は帰ってこない。昔は昔でもう今じゃない。


俺は一人になったんだ。


改めてそう実感した。


ーーーーー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る