第32話

「優くん」


「叔父さん」


「今日は休みだし、どっか行って来ても良いんだよ。お金も出すし」


「ありがとうございます。でも大丈夫です。」


「でも、出来れば俺のためにもお願いしたいんだ」


正直、仮を作りたくない。


最初は優しいかと思ったけど、あの時は冷静じゃなかったから今は思ったけど、


お母さんがあんな状態になるまでほっと居たんだよなぁ。


お母さんのことだからきっと頼れることなら頼ろうとしただろう。


この叔父さんと叔母さんにだって


「俺、今日も行くところあるので」


でも、そうじゃなかった。


お母さんには頼らない理由があったんだ。


「そうか、でも本当に必要なら言うんだぞ」


「ありがとうございます」


もしかすると、お母さんがただ頼らないだけだったのかも知れない。


でもとりあえず事情を知るまで俺は仮を作らないようにしたい。


あと、今の精神で楽しい所とか行く方が・・・辛い。


花も妹だって行きたかっただろう。それを俺が行けるわけがない。


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