第5話

元カノ視点


 「木一」


「・・・」


木一が入って来た。


 今の木一は少し前の制服と違って汚れてないしキチっとしている。


 クラスも以前と違う服に、もう以前とは違うこと感じさせられる。


 「・・・おはよう、木一」


「・・・なぁ、」


「何?」


「前は話しかけて来なかったよな。同情するの辞めろよ。反吐が出る」


「・・・っご、ごめん」

 こんなことは以前から一度も言われたことがない。


 クラスも初めは戻って来たら謝るつもりだったが、もう誰も話しかけることをしようとしない。


 したくても出来ない顔をしている。


 そして、木一はバックを机に置く。そして角度的にバックに隠れていた。痛痛しい、ストラップが見える。


 クラスもそのこと気付いたのか、


 そして、クラスの壊した犯人が前に出る。

 

 「・・・木一」


「テメェも同情しに来たのか??ウゼェから戻れ」


「俺は謝らないといけないことがあるんだ」


 「・・・」


「すまない!!そのストラップをそうしたの俺だ!!」


「・・・そうか。」


「本当に申し訳ない、いつもそれを付けていたことを知ってて」


「おぇ・・・なんで今更謝るんだよ」


「・・・それは」

さっきの私とのやり取りを聞いていたんだろう。


 「なぁ、本当に申し訳ないと思っているんだよなぁ?」


「あぁ、本当だ」


「なら、それなりに償ってもらうぞ」


「分かった」


「じゃあ、死ね」


 嘘、木一がそんな言葉を、冗談でも言わないのに。


 「いや、流石にそれは・・・っ!」


「木一!!」


 木一は立って、窓際に追い込む。


 「これはなぁ、大切な妹から貰ったんもんだなんだよ。死んで、あの世から妹から新しいの貰ってこいよ」

  

 「死ぬ、死ぬ」


 クラスの男子が急いで木一を止めようとするが、木一も流石に落とさないで、安全な方に押し倒した。


 「これは今では大切な妹の塊だ。お前のせいで、こんな姿になってしまったがなぁ、大切なもんだよ。知らねぇで勝手に同情して知った気になって謝ろうとして、許されようとすんなよ。これからはテメェのこと一生呪ってやる」


 「・・・っ」



  木一

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