4
そして、ラスボスを見ながら・・・怖い顔をした。
その顔を見て、私はワクワクとしてきて・・・笑った。
そしたら、近藤副社長も笑って・・・
「そんなに2人で笑われると、やった俺の方が恥ずかしいな。」
そんなことを言いながら、お茶を一口飲んでいた。
「申し訳ないことばかりだが、今後取引をする可能性もあるので、調査はしている。
2人とも、凄い親御さんだったな。」
近藤副社長が笑いながら、私を見た。
「柳川さん、君自身もあの有名大学のあの学部を4年間首席で卒業していて驚いた。
何でと言ったら失礼だが、今の会社に?」
「父から言われてあの大学に進学しましたが、私は作るよりも1プレーヤーでいたいので。
作る方は何も興味がありませんでした。」
「それにしても、人材系の会社に?」
「“俺”が必要だったので。
“俺”が、二葉がいないと無理なので。
言いくるめて入社させました。」
ラスボスがそんなことを言って、近藤副社長から渡された資料をローテーブルの上に置く。
ラスボスが、戦闘モードに入った。
「ご結婚されたようで、おめでとう。」
「ありがとうございます。」
「でも、社長さん・・・土台は柳川さんじゃないな。」
近藤社長が、“土台”と言ってから・・・ラスボスのことをジッと見た。
そして、私のことも。
「面白い2人だな。こんなに分からないのは初めてだ。
社長さん、“土台”なんだ?
こっちは少しだけ分かりそうなんだが。」
「“土台”とは・・・?」
「社長さんの1番下、社長さんの元になっている物。
その“土台”が大切だと、俺は思っている。
本来だったら社外の人には聞かないが、気になって・・・個人的な質問だ。」
「“土台”ですか・・・。
俺にそんなのあるか?」
ラスボスがとぼけたことを言いながら私を見てくるので、私が答えた。
「音楽でしょ?」
「そうか?」
「仁には、それくらいしかないんじゃない?」
「そうか、人ではなかったか。
久しぶりに人ではない回答があった。」
近藤副社長がそう言って、今度は私の方を見る。
「二葉はゲームだな!」
「それ、“土台”なの?」
「“土台”じゃねーの?
いや、“土台”でおさまってねーか!」
ラスボスが大声で大笑いしているので、私も笑ってしまった。
そんな私達を近藤社長が面白そうな顔で見ている。
「2人は、幼なじみのような関係だったのではと思っているが。」
そこまで調べているらしく、私は頷こうとした・・・。
その前に、ラスボスが答えた。
「幼なじみというより、俺の場合は“家族”の感覚ですね。
二葉のお母さんの陣痛中に腰揉んだりしてたのも俺ですし。
二葉が産まれた瞬間も俺だけが立ち会ってますし、二葉の父親より俺の方が先に抱っこしていますし。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます