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攻略方法が書かれたメモ帳をスーツのポケットにしまい、女の人達に励まされてお昼休憩が終わった。
村人から有力情報が、聞けた。
それに嬉しくて笑いなら廊下を歩いていると・・・
廊下の向こうから、ラスボスが、現れた。
「二葉!!この後アポは!?」
「ガンガン入ってます!!」
「だろうな!!」
ラスボスが大声で笑いながら、エージェントのフロアの方へ。
早足で歩いているので、私は走るようについていった。
「二葉の午後のアポ、なんとか回せるか!?
“KONDO”の副社長に呼び出された!
二葉も連れてくるように言われてるから、こいつも連れて行く!!」
部長も副部長も席を外していたので、ラスボスがフロア中に喋り掛けた。
すぐに色んな人から返事があり、中には「“KONDO”の副社長!?」という声も多くあった。
それを聞きながら、ラスボスが大きく頷く。
「あと、頼んだぞ!!行くぞ、二葉!!!」
ラスボスがギラギラした目で笑いながら、私を見下ろす。
ラスボスが、戦闘モードに入った。
ラスボスの車のカーナビ、私は目的地を“KONDO”のビルに設定をした。
そして、ラスボスがゆっくりと車を発進させる・・・。
「二葉、“KONDO”のホームページ調べろ!」
「もう開いてます!」
「新しい事業、なんか始めてるか?」
「・・・あれですかね?
出張応援サービス。」
「それじゃないだろ。
そこに人増やせねーだろ。」
「ですよね。
それ以外だと、特に何も・・・。
ホームページ以外でも、検索に上がってきませんね。」
「新しく始めてる事業の方でって、言われたんだけどな・・・。」
「どっちにしても、いけるようならいっちゃいましょう!!」
「当然。・・・任せたぞ?」
「任せますか?私に。
場合によっては、“仁”の方がいい。」
赤信号で車を止め、ラスボスが私を見た。
「二葉、あの人どう思った?」
「凄い良さそう。」
「でも、あの人を俺のパーティーには入れられねーだろ。
あの人自身のパーティーが存在してるし。」
「私はそういう系をやってないけど、攻略するためにいくつかのパーティーが組むこともある。」
「今後何があるか、俺には予想出来ねーけどな・・・。
人材のことだけじゃなく、こっちと組みたいと思わせられれば成功か。」
「そう思う。
強いパーティーと繋がっていられるのは、メリットが大きい。
うちはまだ組んだばかりのパーティーだから。」
「そうだな・・・。
場合によっては、“俺”がいくか。」
ラスボスがそう言って、バンドルを握る両手を強く握った・・・。
「ガンガン行くぞ、二葉!!」
「久しぶりの楽しいゲーム!!」
*
通された副社長室。
久しぶりに、ここまで座り心地の良いソファーに座った。
近藤副社長はラスボスの目の前ではなく、ラスボスと私の真ん中・・・その向かい側に座っている。
「早かったな、御社が1番だ。」
「カーナビのお陰です!
僕、カーナビがないと永遠に辿り着けない人間なんで!」
ラスボスが大声で言うと、近藤副社長が少し笑いながら頷いている。
「早速なんだが、これが今回検討している内容になる。」
そう言って、資料を1部だけ・・・ラスボスに渡した。
それに、ラスボスが少し固まる。
でも、少しだけ。
「拝見します。」
そう言って、資料を読み始める。
私は息をするのも静かにし、ラスボスを横から見た時・・・
「文字、読めたのか。」
と・・・。
近藤副社長が、小さな声で言った。
それに驚き、私は近藤副社長を見る。
ラスボスも顔を上げ、近藤副社長を見ている。
近藤副社長は困ったように笑いながら、「試すようなことをして、申し訳ない。」と謝った。
「藤岡ホールディングスの副社長が、“文字が読めないのかも”と言っていたからな。
受け取った名刺を、柳川さんが読み上げているようだったと言って。」
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