3

そして、翌日・・・。




ボスに言われた通り、着飾った。




昨日あの後・・・

話は聞いたので、ボスのお飾りのパソコンを借りて攻略法を調べてから、高級ブランドが建ち並ぶエリアに向かった。




そこでボスから渡されたお金でドレスなどを買い、一人暮らしの部屋に帰った。




それらのアイテムを、“私”というキャラに装備させていく。




そして、高いヒールでしっかりと歩き・・・




マンションの前に停まっていたボスの車に、乗り込んだ。





「お!良い女~!!!」




「美容院でヘアセットもメイクもして貰いました!!」




「終わったら気持ち良いことしてやるよ!!」




「ラッキー、ありがとうございます!」





ボスが大きな声で大笑いをしながら、車を発進させる。





これから起こることにワクワクしながら、ボスと車内で騒いでいた。





車を数分走らせ着いたのは、高級ホテル。

そこの前で車を停めると、ドアマンが私を出迎えてくれる。




そして、すぐにボスが私の隣に並んだので、ボスの左腕に私の右手を組んだ。




「行きますか、タコさん。」




「行きましょう、ボスさん。」




「お前、会場では俺の名前ちゃんと言えよ?」




「ボスこそ、タコとか言わないでくださいよ?

そんな高級スーツでタコとか言い出したら、笑っちゃうじゃないですか。」




「お前こそ、そんな高級ドレスでボスとか言ったら、俺が何かの組織のボスと勘違いされるからな。」





ボスと小さな声で、上品な笑顔を貼り付けながら、そんなやり取りをし・・・

きらびやかな会場の中に入った・・・。





「ボス・・・美味しそうな料理がいっぱい・・・」




立食パーティーの会場に並んでいる美味しそうな料理。

その料理を食べたくてウズウズしてくる。





「後で俺のこと食っていいから、我慢しろ。」




「ボス、そろそろ自分がオジサンだって、自覚した方がいいですよ?」




「俺、今何歳?」




「35になりましたよ、ボス。」




「お前何歳なの?」




「28です。」




「・・・そんな歳になったのかよ。」




「親から結婚しろって煩く言われてますよ。」




「俺が結婚してやろうか?」




「セフレとのゲームをリセットして、性病検査もクリアしたら考えてもいいです。」





私がそう答えると、ボスが必死に笑いを堪えていた。





「ボス、良さそうなのいたら、ガンガンいっちゃいましょう。」




「当然。・・・頼んだぞ?」




「こんなに楽しいゲームセンター、久しぶりなので。

今日は1つも落とすことなく、クリアを目指します。」





参加者からの紹介でしか参加出来ない、企業の社長クラスが集うパーティー。

この貴族達の戯れのようなパーティーに、なんとボスにもお誘いがあった。





それも、パートナー同伴でのパーティー。

周りを見てみると、お互いに指輪をしているカップルか夫婦・・・。

勿論それだけではなく、恐らく彼女や婚約者、お金目的で隣に並ぶように見える女の人までいる。






そういう私は、うちの会社であるボスのパートナーとして・・・

パートナーに見えるよう、会社の未来も背負って、参加をする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る