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大学を卒業して入社した会社。
今年で6年目、私は28歳になった。
営業成績はすぐに上位になり、仕事は楽しく仕方がない。
でも・・・
「柳川のお母さんが、結婚のこと心配してるんだろ?」
「そうなんです~・・・。
28歳で独身とか普通なのに、最近凄いうるさくて!」
「彼氏どれくらいいないんだっけ?」
「彼氏はいたことありませんね。」
「・・・そうだっけ?」
「私こういう感じなので、遊ばれて終わりなんですよね。」
「それは悪い男に引っ掛かっただけだろ。
でも、それはお母さん心配するかもな~。
どんな男好きなの?
紹介しようか、真面目な男。
ヒヤリングする!」
「この流れ、うちの会社のメンバーの鉄板ネタですよね!」
ヒヤリングシートにボールペンの先を付けている先輩と笑い合っていた時・・・
「仕事してねー奴~!!
お前、ちょっと来い!!!」
ボスが、後ろから現れた。
そして・・・
また、片手で・・・
私のことを抱え・・・
タコのようにダラーンと、連行された・・・。
ボスに連行され、社長室に入った。
そして、ボスではなく・・・あり得ないことに、私を社長のデスクの椅子に座らせる。
当たり前だけど初めて座ったこの椅子は、社員の椅子より座り心地が良い。
ラッキーなことに、座れたので・・・
クルクルと回ってみた。
クルクルと回りながらボスを見ると、結構深刻そうな顔をしている。
「深刻そうですね~。」
「大変なことが起きた。」
「ボスがそんなことを言うの、珍しいですね!」
「何があったんですか?って聞いてみろ。」
「“何があったんですか?って聞いてみろ”。」
「・・・そこまでじゃねーよ!」
ボスが大きな声で大笑いをしながら、クルクルと回っていた椅子を両手で止めた。
「お前、今彼氏いる?」
「いないですけど。」
「明日の土曜日、アポは?」
「入ってます、4件。」
「それ他の奴に回すようにするから、1日時間くれ!」
「別に良いですけど。」
「パーティーだから、着飾ってこい!
そこで営業掛けに行くぞ!!」
ボスがそう言って、戦闘モードに入った。
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