魔界から仲間とダンジョンのセキュリティを修理しに行ったら無双系配信者に会って異世界の存在をバレてしてしまい魔王からクビ宣言されたので逆ギレして魔王殺しました

ちーずけーき

第1話 ダンジョンのセキュリティ修理と独り言を呟くヤバい人間




東京の渋谷に位置するダンジョンへの入り口

ダンジョンの100階層には三つの人影があった

人影の正体は黒髪に紫色の目を持った不機嫌そうな表情をした凶暴そうな狼の獣人、銀髪に赤い目の真っ白な肌に犬歯を持った美しい吸血鬼、赤髪に灰色の目の怪しい雰囲気の竜

全員人形の魔物だ

手には重そうなパソコンを持ち歩く

超だるそうな表情をしながら

――俺は吸血鬼のルドウェル

魔界の魔王専属のダンジョンセキュリティの第一人者だ

人間界にあるトウキョウというところにあるダンジョンのセキュリティを直しに来た

仲間は俺を入れて三人

狼の獣人がジョンで竜がミルト

男しかいないなんとも華がないグループだ

暗いジメジメとしたトラップだらけのダンジョンを進む

確か50階層辺りのセキュリティを人間ぶち壊したらしく丁度おなじみなトラップも飽きてきたので違うのに変えてこいという命を魔王陛下から受けてきた

とても面倒である



「ジョン、そろそろだ」



無限に続く階段を上り終え破損したセキュリティを見つけパソコンをドサリと前に置きセキュリティを書き換えていく

不意に、賑やかな声が聞こえた



「リスナーのみんな!49階層まできたよー。これから50階層を攻略しようと思うんだけど、応援してね!」



妙に甲高い声

久し振りに聞いたこういう声に少しばかり驚いてしまった

人間ってここまで来れる実力者いたんだな

バレないように物音をたてずセキュリティを直していく

所々シールドも破れており三人で階層を分かれて作業に取り掛かる

だが運が悪く甲高い声の人間に遭遇してしまった



「何でこんな所に人間がいるんだろ?貴方だれ?人形のモンスター?それとも人間?」



無視して作業を続ける

もうそろそろ時間的に残業になってしまうのだ

急がなければ



「ねー返事してよ。もしかして喋れないの?」



甲高い声の人間がガシリとしゃがんでトラップを変える俺の肩を握った

人間に触られたのは百年ぶりか?

非常に不愉快だ



「その汚い手を離せ、人間」



「ひっ」



振り返って軽く睨むと人間はわかりやすく腰が抜けた

だから人間は...

今日のところもう帰るか

ジョンとミルトも放っておけば勝手に帰るだろう

ずっしりとしたパソコンを両手で持つ

そう言えばまだ68階層の修理もまだ終わってなかったな

面倒だが直すか



「ま、まちなさいよ!アンタ吸血鬼ヴァンパイアでしょ!」



去ろうとすると人間が後ろで騒いだ

勿論スルーしてボス部屋の手前にある階段で上に上がる

トラップが当たり一面仕掛けられてるが実力があれば簡単に防げる



「ちょ、待ちやがれぇ!!!」



人間はまだ騒いでいて同じ空気を吸うだけで不快なのに余計不快になる



「おい、リスナー!あの吸血鬼ヴァンパイアひでーと思わねぇか?」




スマホを見て独り言(?)を零している

うわぁー、一人でなんかゴニョゴニョ怒ったり泣いたりしてる...

引くわー



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