角刈りの虎鋏と空から降ってきた聖剣
空から剣が降ってきてそれが脳天にぶっささって角刈りの虎鋏は死んだ。
死んだということを謎空間にて謎の巨乳美女に聞かされた。「なんでそういうことになったかというとそれは悪意があったわけではなくて、単純にこちらのミスってこと、いや手順ミスったわ、まじごめん」
いやいやこっちは死んでんだけどなんだその軽いノリは! と怒り狂いそうなところだけどそうはならない、感情がふわふわして穏やかでいられる、それはそれでむかつくと理屈では思う、まあ理屈で思うだけで心はほんわかふわふわなままだ。「正解。それは謎空間の謎作用のせいね。落ち着いてこっちの話を聞いてもらうため。それで何の話だったかと言うとつまりはあなたは聖剣に選ばれた、北の最果ての古城に潜む彗星の魔王を倒し世界を救え!」
まじこいつなんなんだ、人のこと殺しといて命令かよ――「まきでよろしく。魔王倒しに行かないと君死ぬから。そういうわけでよろしく。ぐねぐね道を3日に渡ってあるきつづければ目的地にたどりつくよ」
そうして放り出された虎鋏は北に向かってあるき出した。
一日目、きーきーうるさいコウモリが現れて言った「聖剣をよこせ」。よこせと言われても虎鋏はもってない。するとじじいの声が聞こえてきて念じればでてくるよと教えてくれた。やったらでてきた。もとよりよこせと言われてよこしてやるのはしゃくだったのでその聖剣でコウモリをぶったぎった。
二日目、巨大な蛇が橋を塞いでいた。ずんばらり問答無用で切り捨てて川に流した。
三日目、古城があったので乗り込んだら角の生えたおっさんが待ってた。とりあえず切りかかったら片手で受け止められてそのままワンパン食らった。血を吐いて倒れたら聖剣が手から離れた、その瞬間急激に体が冷えた。やばい。その時はじめて本気で生きたいと思った。はるか天空に巨大な剣が見えた。わかった。それこそが聖剣の本体で俺が今まで使っていたのはレプリカにすぎなかったのだ。振り下ろす、一刀両断。古城ごと魔王を粉砕した。そうして虎鋏は聖剣をレプリカとともに空へと還すことにした。それはもう必要ないものだったから。
隠された財宝を適当にひろいあげたら、虎鋏は帰路についた。
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