第2話

近くの公園のベンチで買った本を読む。私も転生するなら悪役令嬢がいいなぁ。

「おねえちゃん。あくやくれいじょうになりたいの?」

近くで遊んでいた女の子が突然声をかけてきた。やだ、私ったら声に出てたかしら?

「こえにはでてなかったとおもうけど?」

え?

女の子の方を見るとニコニコ笑っている。かわいいけど不気味…。

「そんなことより、どうしておねえちゃんはあくやくれいじょうになりたいの?」

「私、こんな風に強い女の人になりたいの。私は何をするにも周りの目ばかり伺って本当の自分をさらけ出せなくて…。」

「ふーん。」

私は何歳の子にこんな話を…。とはいえこの子は普通じゃないけど。

「変なお話しちゃってごめんね!何かして遊ぶ??」

「いいや別に。ばいばーい!」

女の子はくるりと踵を返して去っていった。

なんだかよく分からないけど、そろそろ私も帰ろうかな。


帰路に着いた頃にはもう日は沈みかけていた。

そんなに長くいたのかな。とりあえず、明日こそ遅刻はできないし、早くご飯を食べて寝よう。今日は色んなことがあったけど、ずっと気にする訳にはいかない。嫌でも逃げても必ず明日は来るんだから。


「そんなに嫌なんだね。だったら経験するといいよ、悪役令嬢を。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

悪役令嬢に憧れて @YUKALI

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ