第2話 三時間目の内職

「それで、この双曲線の式が――――――――――」

 アーコと「高校生しかできないこと」について話した直後の三時間目。私は受験生だというのに授業を聞かずにノートに内職していた。


【高校生しかできないこと】

・制服着る

・友達のおっぱい揉む


 あとは何だろう。

 こういうのって、高校生でいるうちは半分も気が付かないんだろうなあ、と思う。失ってから気が付くことって、やっぱり多いと思うから。

 ……そうだ、大人になった時の私のことを考えてみよう。


 私は大学を卒業して、就職して、かわいいOLになって……。


 (出会いが無い‼)


 そんな悲痛な叫びが未来の私から聞こえた。

 確かに、恋愛、しなきゃ。私は今まで恋愛なんてしたことがなかった。

 というのも、好きな子ができなくて。告白はまあ、何回化されたんだけどね?

 なんでだろう。周りの子はみんな、好きなこの話でコイバナとかで盛り上がっている。あ、コイバナも高校生しかできないかも?

 いつか素敵な、白馬に乗った王子様が来てくれるといいなあ。別にそこまで理想が高いわけでもないけれど。

 恋愛は、まあ、できたらってことにしておこう。


【高校生しかできないこと】

・制服着る

・友達のおっぱい揉む

・恋愛する(できたら)

・コイバナする

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